| 名称 | ニームのメゾン・カレ |
|---|---|
| 国 |
フランス |
| 登録区分 | 世界文化遺産 |
| 登録年 |
ニームのメゾン・カレ
2023年に開催延期された第45回世界遺産委員会において、フランスの「ニームのメゾン・カレ」が世界文化遺産として登録されました。
「ニームのメゾン・カレ」は、1世紀初頭に古代ローマ都市ネマウスス(現在のフランス・ニーム)に建てられた神殿です。 皇帝アウグストゥスの若くして亡くなった後継者たちに捧げられたもので、古代ローマが共和政から帝政へと移り変わる時代の政治や思想の変化を象徴する建造物として知られています。
この神殿は、皇帝を神格化して敬う「皇帝崇拝」の中心的な施設として、地方統治を支える役割を担いました。また、洗練された建築様式や精巧な装飾によって、帝国全体に平和と繁栄をもたらした「ローマの平和(パックス・ロマーナ)」の理念を表現している点も高く評価されています。
壁に柱が半分埋め込まれた擬似周廊式や、アカンサスの葉をモチーフにした華やかなコリント式の装飾など、古代ローマ建築の特徴を現在までよく残しています。保存状態は極めて良好で、地方都市に建てられたローマ神殿の最高傑作の一つとされています。
このメゾン・カレは、イタリアのパンテオンと並んで「世界で最も保存状態が良い古代ローマ神殿」の一つとして世界的に知られています。2000年以上の歴史を持ちながらこれほど完璧な姿を保っている理由は、11世紀以降に領事館や私邸、教会、さらには公文書館や美術館へと時代ごとに用途を変えながら、常に人々に大切に利用・管理され続けてきたためです。
また、アメリカ合衆国第3代大統領のトーマス・ジェファーソンが駐仏公使時代にこの美しい姿に深く魅了され、自国バージニア州議事堂の設計モデルとして採用したという有名なエピソードもあり、近代新古典主義建築の発展にも大きな影響を与えた歴史的名所です。