マカオ歴史地区

マカオ歴史地区とは、中国の特別行政区に該当するマカオにある20以上の建造物・広場などの古跡を含む地区一帯を指します。かつてのポルトガルの植民地であったマカオにおける東西文化のユニークな同化と共存を見ることができます。

「マカオ歴史地区」主要スポット

 

聖ポール天主堂跡

【世界遺産】マカオ歴史地区

聖ポール天主堂跡はマカオのシンボル的な場所で、観光客で常ににぎわっています。正面にあるファザード(正面壁)が印象的で、計3度の火災によりこのファザード以外の全ての部分が焼け落ちて無くなってしまっています。

モンテの砦

モンテの砦は海抜52mの丘の上にあり、聖ポール大天主堂跡の横にあるエスカレーターから行くことができます。1617年から1626年にかけてイエズス会修道士によって建造された軍事要塞で、総面積は約8000㎡、四方を防壁に囲まれています。

ナーチャ廟と旧城壁

【世界遺産】マカオ歴史地区
photo credit: Na Tcha Temple via photopin (license)

 門口5mの比較的に小さめな中国式の寺院がナーチャ廟。ナーチャ廟は神話上の人物であり武道と疫病退治の神であるナーチャを祀っています。このナーチャ廟のすぐ横にある土壁が旧城壁です。旧城壁は17世紀初期にポルトガル人居留区を守るために築かれました。

ロバート・ホー・トン・図書館

【世界遺産】マカオ歴史地区
photo credit: 10 – 岡頂前地 via photopin (license)

香港の事業家ロバート・ホー・トンさんが生前別荘として使用していた場所で、彼の死後遺言によってマカオ政府に寄贈されて図書館となった場所です。今現在も通常通り営業されています。

 ドン・ペドロ5世劇場

【世界遺産】マカオ歴史地区
photo credit: _IGP3294 via photopin (license)

ドン・ペドロ5世劇場は、1860年にマカオ在住のポルトガル系住民によって建設された、アジア初の西洋式の劇場にして上流階級の社交場です。名前の由来は、ポルトガル王ドン・ペドロ5世からです。当時、芝居やコンサートは社交に欠かせないもので、初めのうちは男性専用でした。

 聖オーガスティン教会

聖オーガスティン広場に面している聖オーガスティン教会は、1586年にスペインよりやって来たオーガスティン派修道士によって造られた修道院が元になっています。後にポルトガル人に引き渡し、現在の場所に移転してきました。1874年に改修され、現在の形になりました。

聖ヨゼフ修道院及び聖堂

聖オーガスティン広場に面している聖ヨゼフ修道院及び聖堂。修道院は1728年に、聖堂は1758年にイエズス会によって建設されました。イエズス会宣教師育成が目的で、中国や日本、その他アジアでの宣教活動の拠点となりました。

大堂(カテドラル)

【世界遺産】マカオ歴史地区
photo credit: 33. 大堂 via photopin (license)

大堂広場の正面に建てられている大堂(カテドラル)は、アジアの主教管区とて16世紀に建設されました。最初の物は土と藁でできた煉瓦造りだったそうですが、現在のものは1937年に建てられたものです。

セナド広場

【世界遺産】マカオ歴史地区
photo credit: Macau 210 via photopin (license)

セナド広場は、噴水が象徴的な光景の広場で、地元の方には「噴水池」と呼ばれている場所です。ここはポルトガル統治下の影響を残す石畳(カルサーダス)が印象的です。波打っているような模様のモザイクですが、これはポルトガル本国から敷石職人をわざわざ呼び寄せて作らせたそうです。

仁慈堂

大航海時代の幕明けと共に航海に出る人たちが増加し、それによって家族を失い未亡人や孤児になる人も増えました。そのため、彼らを救済するために初代マカオ司教ドン・ベルキオール・カルネイロによって建設されたのが仁慈堂です。

 民政総署

ポルトガルはマカオに自治制を導入し、その後中国式庭園のある建物を政庁として建設しました。これが民政総署の起源となります。セナド広場を前にして建っている民政総署はポルトガル語では「Leal Senado(レアル・セナド)」と呼ばれ、セナド広場の名前の由来となりました。

 媽閣廟(マーコミュウ)

媽閣廟は、1488年に建立されたマカオ最古の中国寺院です。マカオの世界遺産で中国風の建物は数少ないのですが、ここはそのうちのひとつです。バラ岬という場所に建てられていますが、ここは、ポルトガル人が最初に植民した場所と伝えられており、「媽閣」の広東語読みの「マーガオ」がマカオの名の由来となったともいわれています。

ギア要塞

【世界遺産】マカオ歴史地区
“”Guia Hill Fortress and Lighthouse“”by Adrian Fis licensed underCC BY 2.0

東アジアで最古と言われる灯台の一つが見られるところです。灯台自体の高さは13mで、夜になると25マイル(40.2336Km)先まで届く光で辺り一面を照らしてくれます。

聖ローレンス教会

聖ローレンス教会は、1558年から1600年にかけてイエズス会によって建設されたカトリック教会で、マカオの教会の中では最も古いもののひとつです。聖ローレンスとは、3世紀にローマ皇帝ヴァレリアヌスの迫害を受けて殉教した聖人です。

 聖ドミニコ教会

別名「バラ教会」とも呼ばれている聖ドミニコ教会のファサード(建物正面の外観)は、マカオで最も美しいファサードといわれています。淡い黄色の壁と緑のドア、白い漆喰の装飾の色合いが非常に美しいためです。

 プロテスタント墓地

プロテスタント墓地は、1821年にイギリスの東インド会社によって造られました。カトリック中心のマカオにおいて、初めてのプロテスタント墓地になります。埋葬されている人々は様々で、イギリス人画家ジョージ・チナリーをはじめアメリカやイギリスの宣教師や貿易商、東インド会社の高官などです。マカオにおけるコミュニティの多様さを知ることができます。

カーザ庭園

【世界遺産】マカオ歴史地区
photo credit: _IGP2863 via photopin (license)

ルイス・カモンエス公園とプロテスタント墓地の間に位置しているカーザ庭園は庭園と洋館からなっています。コロニアル様式の建物と、熱帯の植物が多く植えられた庭園で、小さな池も造られています。

鄭家屋敷

リラウ広場の目の前にある鄭家屋敷は中国近代の思想家・文人である鄭觀應の屋敷です。彼の思想は孫文や毛沢東にも影響を与えたといいます。1881年に建てられたこの屋敷は、総面積は4000㎡、奥行き120m、部屋数は60を超える大邸宅です。多いときには300人もの人が住んでいたそうです。

港務局

【世界遺産】マカオ歴史地区
photo credit: IMG_6836 via photopin (license)

港務局は、現在は海事水務局のオフィスビルとして使用されています。元々は1874年に建設されたものです。建物は回廊に囲まれており、風通しが良く、多雨多湿のマカオの気候に合っています。

聖アントニオ教会

聖アントニオ教会は16世紀に建てられたマカオで最も古い教会で、イエズス会が最初に拠点とした場所です。初めは木造の教会でしたが、1638年に最初の石造りのものに建て替えられ、教会の庭に「1638」と刻まれた石の十字架が残っています。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称マカオ歴史地区
中国
登録区分 世界文化遺産
登録年

2005年

キーワード

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