ルート砂漠は、2016年トルコ・イスタンブルで開催された第40回世界遺産委員会において、イランの世界自然遺産として新規登録されました。
ルート砂漠
イラン初の世界自然遺産として登録されたルート砂漠は、イラン南東部のケルマーン州、ホラーサーン州そしてスィースターン・バルーチェスターン州にまたがり、イランの総面積の約10%を占める大砂漠です。
ルート(Lut)とは、ペルシア語で水や植物が生えない土地という意味。ルート砂漠は、周囲を山に囲まれ、湿気のある風を山が遮り、太陽の熱を砂漠が吸収するため、最高気温70.7℃を記録したこともある過酷な土地です。
ルート砂漠には、シルトと呼ばれる砕石物が堆積し、それらが風によって浸食されてできた 「キャルート」と呼ばれる天然の砂城や植物が生え、湿り気を含む土が風に浸食されてできた「ネブカ」と呼ばれる丘、塩分濃度が高いシュール川などがあり、美しい自然と地質学的にも貴重な場所となっています。
ルート砂漠の南では、植物も生息しています。過酷な環境に適応しながら、植物が周囲の砂、水と共存しながら生息する一例として注目されています。