「ルーゴのローマ城壁」はスペイン北西部に位置するガリシア州ルーゴ県の県都ルーゴに、今もなお残されるローマ城壁の遺跡から構成される世界遺産です。ローマ帝国が山に囲まれた盆地であるルーゴにやって来たのは、紀元前1世紀の終わり頃。
スペイン北部に領土を拡大するためにアウグストゥスの軍団長によって作られた軍の駐屯地が、経済や行政活動の集中した都市として発展して古代都市ルーゴを形成し、3世紀後半からは豊かな都市を他民族の侵攻から守るための、強固なローマ城壁が建設されていきました。ルーゴのローマ城壁は、10メートルもの高さと、2キロメートルを超える長さを誇る硬固なもの。
85か所もの見張りの塔が隙間なく建てられ、ローマ帝国地方都市を守り続けた城壁は、悠久の時を刻んだ現在でも町を守り続けているのです。