コトルの自然と文化歴史地域
コトルの自然と文化歴史地域はモンテネグロにある世界遺産です。アドリア海が陸地に入り込み、複雑な入り江となっているモンテネグロのコトル湾。一帯には、中世、港湾都市として栄えた町が点在しています。中でも、湾の最も奥に位置するコトルは、中世の薫りが色濃く残る町です。
古代ローマの都市として始まったコトルは、ビザンチン帝国、ハンガリー王国に支配されながらも一定の自治を保って繁栄し、14世紀にはセルビア王国のもとで最盛期を迎えますが、やがてベネチアの支配を受け、その後400年間ほど海運貿易の拠点として栄えました。
コトルはカトリックとギリシャ正教会の文化圏が重なっており、双方の教会が数多く存在します。海運が栄えたコトル湾沿岸では、スラブ諸国で初めての航海士の学校も作られました。
12世紀に建てられたロマネスク様式の『聖トリフォン大聖堂』、同じく12世紀建立のロマネスク・ビザンチン様式の『聖ルカ教会』、17世紀建造のゴシック・バロック様式の『4階層造りの時計塔』などがあるが、地震や内戦により甚大な被害を受けました。