コローメンスコエの主の昇天教会
コローメンスコエの主の昇天教会は、ロシアの首都モスクワから南東へ15kmほどのところにあります。教会のあるコローメンスコエ地区は、イワン4世からピョートル1世の時代まで大公や皇帝の別荘地でした。モスクワ南東部のコロムナ街道の出発点であったことが地区の名の由来です。
教会は地区内で最も古い建物で、1532年ヴァシリー3世がイワン4世(雷帝)の誕生を祝って建てました。1925年に地区が野外文化財博物館となります。これにより、ソ連国内の昔の建物はこの地に移築され、周辺の古い建物は保護されることになりました。
ロシアの正教会といえば玉ねぎ頭の屋根(クーポラ)ですが、この教会は違います。八角形の屋根が特徴です。基礎が石材と煉瓦、木造の屋根というロシアの昔の木造建築技術で建てられています。1992年に地区一帯が世界遺産へ推薦されましたが見送られ、1996年にヴォズネセーニ教会だけがコローメンスコエの主の昇天教会の名で世界遺産として登録されました。