| 名称 | ヨーデンサヴァネの考古遺跡:ヨーデンサヴァネの入植地とカシポラ・クレークの共同墓地 |
|---|---|
| 国 |
スリナム |
| 登録区分 | 世界文化遺産 |
| 登録年 |
ヨーデンサヴァネの考古遺跡
2023年に開催延期された第45回世界遺産委員会において、スリナムの「ヨーデンサヴァネの考古遺跡:ヨーデンサヴァネの入植地とカシポラ・クレークの共同墓地」が世界文化遺産として登録されました。
「ヨーデンサヴァネの考古遺跡:ヨーデンサヴァネの入植地とカシポラ・クレークの共同墓地」は、南米スリナムの密集した熱帯雨林を流れるスリナム川の河岸に位置する、セファルディム(イベリア半島系)系ユダヤ人の開拓集落跡と墓地群で構成される世界遺産です。
17世紀から19世紀にかけて、大航海時代のユダヤ人コミュニティが都市部ではなく先住民の領土に隣接する未開拓地に築いたもので、自治権や信仰の自由など広大な特権を与えられた「国家の中の国家」とも言える独自の自治社会を維持していました。
特に1680年代に作られたヨーデンサヴァネ集落には南北アメリカ大陸で最古級とされる歴史的に重要なシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)の遺構や煉瓦造りの建築基礎、要塞跡、 薬効泉(薬効があるとされた湧水)が残っており、1650年代に先行して作られたカシポラ・クレークの墓地とともに、当時のユダヤ人、先住民、そしてアフリカ系奴隷との複雑な共存と対立の歴史を今日に伝える貴重な証拠として高く評価されています。
この遺跡は、大航海時代における南米のユダヤ人移民史を象徴する場所として知られており、カリブ海や南米地域に残るユダヤ遺産の中でも極めて重要視されています。特にヘブライ語やポルトガル語、オランダ語など複数の言語が刻まれた墓石群は、多様な文化が交差した当時の国際性を色濃く物語っています。
同じくセファルディム系ユダヤ人が新天地へ渡り、17世紀に貿易拠点として発展させウィレムスタットの歴史地区:キュラソーにある内陸都市と港や、同時代にカリブ海地域で砂糖農園経営や交易によって繁栄した他の植民地遺跡と比較されることも多く、大航海時代のアメリカ大陸におけるユダヤ人の歩みや東西交易の歴史を読み解くうえで欠かせない重要な史跡となっています。

