エルサレムは、紀元前1,000年頃に建国された古代イスラエル王国の都です。旧市街地はイスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒、アルメニア人の地区の4つに分割されています。この世界遺産はエルサレムにあることで、非常にデリケートな問題を抱えています。様々な宗教にとって意味のある聖地だからです。
ユダヤ教徒にとっての神殿の丘と嘆きの壁、キリスト教徒にとっての聖墳墓教会、イスラム教徒にとっての岩のドームなどが当てはまります。
世界遺産への申請はヨルダンによって行われましたが、最終的には世界で唯一当事国を持たない世界遺産となりました。
「エルサレムの旧市街とその城壁群」主要スポット
嘆きの壁(ユダヤ教)
かつてのイスラエル王国の首都エルサレムの北側、現在『神殿の丘』と呼ばれるモリヤの丘に紀元前965年頃、ソロモン王が神殿を建てました。神殿には神がモーセに与えた法律の石版を収めた『契約の櫃(ひつ)』が安置され、聖地となりました。
聖墳墓教会(キリスト教)
聖墳墓教会はキリストの処刑と埋葬、復活の地に建つ聖地としての建造物です。後の1099年にエルサレムを陥落させた十字軍により、ドームに結合したロマネスク様式の聖堂が建設され、聖墳墓教会の基礎が整備されました。
岩のドーム(イスラム教)
現存する最古のイスラム建築と言われていますが、もともとは礼拝の場としてではなく、内部に鎮座する巨大な『聖なる岩』を覆う目的で建てられました。610年、サウジアラビアのメッカに生まれたムハンマドがアッラーの啓示を受け、イスラム教の歴史が始まりました。
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