ジャームのミナレットと考古遺跡群
ジャームのミナレットは、アフガニスタンのゴール州、ハリー川と、その支流ジャーム川の合流点のほとりにある尖塔です。ゴール朝のスルターン、ギヤースッディーン・ムハンマドが築いたとされています。
このミナレットは八角形の土台の上に60mの高さを持ち、褐色の煉瓦と、青色のタイル装飾、ブハラで発展を遂げた幾何学模様、クーフィー体アラビア文字の刻印などを特徴としています。
また、このミナレットはゴール朝の最盛期であり、滅亡寸前でもあった12世紀末頃に建てられており、ゴール朝における建築技術の最高峰とも言われています。
2001年のアメリカのアフガニスタン侵攻では、混乱に乗じての文化財の盗掘が行われ、考古遺跡群全体が危機にさらされています。そして2002年にジャームのミナレットと考古遺跡群として世界遺産に登録されると同時に、危機遺産にも指定されています。ミナレットの他に、
- ミナレット周辺の遺跡
- ユダヤ人墓地
- アラビア語の碑文と貯水池
も世界遺産の登録対象となっています。