フエの建造物群
フエの建造物群はベトナムにある世界遺産で、フエとは、19世紀初頭から20世紀半ばまで約150年にわたりベトナム最後の王朝であるグエン朝の都です。緩やかに流れるフォン川の河畔に王宮や歴代皇帝の帝陵を残すこの古都は、『ベトナムの京都』とも呼ばれています。
旧市街の中心に広がる王宮は、中国の紫禁城(故宮)を規範にザーロン帝が建設に着手し、2代ミンマン帝の世に完成しました。鳳凰をかたどった楼閣を戴く午門(王宮門)をくぐると、正面には皇帝の即位式が行われた太和殿。随所に龍の装飾が施され、中国への憧憬が窺われます。また王宮内には、グエン朝の菩提寺である顕臨閣や歴代皇帝を祀った世祖廟など、ベトナム伝統の建築様式も見られます。