グアナフアト歴史地区と鉱山
グアナフアト歴史地区と鉱山はメキシコシティから北西方370 km に位置する、メキシコ・グアナフアト州の州都である都市グアナフトの歴史的な市街と、近辺の銀山から構成される世界遺産です。
グアナフトはスペイン植民地時代の美しいコロニアル建築で構成された、歴史的な市街地が残る美しい都市。18世紀にはグアナフアト近辺で産出された銀が世界の銀生産の4分の1を占めていたほど、資源豊かに潤い、植民都市としての栄華を誇りました。
この街の建築物の豪華さは、銀の採掘で潤った鉱山主が競って豪邸を建て、バレンシアーナ聖堂などの教会の建設に資金を提供したことにより生み出されたのですが、その陰では征服された先住民の多くが銀の採掘や建造物の建立のために労働力としてかりだされ、尊い命を失ったという悲劇が背景にありました。
皮肉にも、メキシコ独立戦争において反乱軍が初めて勝利したのは、このグアナフアトの地。グアナフアトの美しい町並みは変わることなく、メソアメリカの古代から植民地時代、そして独立後の近代まで、人々の営みを見守り続けています。