グランドキャニオン国立公園は、アメリカのアリゾナ州北西部にあり、同国で大人気の観光スポット。1979年に世界遺産に登録されています。
アメリカでも最も古い国立公園のひとつで、20億年から2億5千万年前の地球の地層が観察でき、世界で最も多くの化石が発見された貴重な場所なのです。
グランドキャニオンとは
グランドキャニオンは、コロラド川がコロラド高原を浸食し、数百万年かけて出来上がった峡谷です。総面積は4927㎢に達する広大さです。100年で2㎝ずつ削り出され、現在もそれが進んでいます。これを計算すると、途方もない歴史を刻み続けてきたことがわかります。
断崖の平均の深さは1200m、最深部は1800mにも達します。446㎞に渡っており、その幅は6~29㎞と様々です。
今は8層の地層が露出していますが、最も古いものは先カンブリア時代のもので、20億年前のものになります。地層の大部分は海面下で形成されたもので、これも海中でできたのものとされます。
国立公園であるため、様々な生物が生息しています。植物は1500種類以上、鳥類が355種、哺乳類が88種、爬虫類は47種、両生類が9種、魚類が17種です。
グランドキャニオンの歴史
グランドキャニオンは、7000万年前にこの一帯がカイバブ・アップリフトという地殻変動により隆起し、出来始めたといいます。4000万年前になると、コロラド川による浸食が始まり、200万年前に現在の姿になりました。
人類は、ここに1万500年前頃から生息していたといわれています。4000年前からはネイティブ・アメリカンが住み始めていました。
1869年に、アメリカ軍人のジョン・ウェズリー・パウエルが最初の科学的な調査のためにこの地を訪れ、調査が始まりました。
サウスリムのビューポイント
グランドキャニオンは、サウスリム(南壁)とノースリム(北壁)の2ヵ所が玄関口となります。コロラド川を挟んで対岸にあります。多くの絶景ポイントがあり、展望台から峡谷をのぞむことができます
ハーミッツレスト
グランドキャニオン国立公園のサウスリムの中で最西端にあるのが、「ハーミッツレスト」です。
ハーミッツレストとは、「修道士の休憩所」という意味で、1890年代にフランス系カナダ人がここで修道士のような暮らしをしていたことから名付けられました。
ここには山小屋があり、今は暖炉のあるラウンジ、軽食が取れるスナック、ギフトショップがあります。
マーサポイント
「マーサポイント」は、グランドキャニオンの中で、朝日を見る絶好のポイントと言われています。岸壁から突き出たところが展望台になっていて、景色を眺められるようになっています。
ヤバパイポイント
「ヤバパイポイント」は、夕日を見る絶好のポイントとして人気があります。ここからは、キャニオン渓谷を一望することができ、谷底にあるロッジも見ることができます。
リパンポイント
「リパンポイント」からは、蛇行するコロラド川を眼下に見ることができる、ダイナミックなポイントです。
ノースリムとウエストリム
グランドキャニオン国立公園のサウスリムは観光用に整備されていますが、ノースリムはアクセスが悪く、サウスリムほど整備されていません。
また冬季は降雪があり、訪れるのが難しくなります。ノースリムのビューポイントは、ロッジからの眺望以外、トレイルを歩いて行きます。トレイルは何本かあり、景色を見ながら渓谷をトレッキングすることができます。
ウエストリムのスカイウォーク
またウエストリムに、2007年スカイウォークという、岸壁からU字型に張り出した展望台ができました。床面がガラス張りになっていて、足元から1200m下の谷底を見ることができます。
ここはアメリカ先住民ウォラパイ族の居住区で、聖地に商業用施設を建設したことに対し、一部長老などから批判が出ています。
グランドキャニオンには多くのアクティビティも充実しています。峡谷を歩いて回ったり、セスナで上空散歩したりなど、盛りだくさんでトライしてみる価値がありますよ。朝日や夕日を眺めるのも貴重な体験になりますね。
グランドキャニオンとラスベガスとは約500キロ(約東京~大阪間)離れていますが、アメリカの感覚ではすぐそこと言えます。 人工都市のラスベガスと大自然のグランドキャニオンが近くにあるのはいかにもアメリカらしいです。
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