ゴレスターン宮殿
イランに18世紀末、興ったカージャール朝。この王朝は、テヘランを新都とし、豪華な宮殿を建てました。この宮殿に4代目の王、ナーセルッディーン・シャーは、ヨーロッパ文化を取り入れ、ヨーロッパ風の建物を建てるように命じ、造られたのが、ゴレスターン宮殿です。
ヨーロッパに憧れを持った王は、何度も訪問したヨーロッパの優雅さを身近に感じていたかったのです。こうして、ヨーロッパ、ペルシャの建築様式が随所に取り入れた宮殿が造られることになりました。「ゴレスターン」とは「バラの園」という意味だそうです。
この宮殿は、その後の近代イランの芸術に大きな影響を与えてきました。とりわけ、興味深いのが、「輝きの間」と名づけられた広間です。壁や天井が鏡張りで、シャンデリアの光がきらびやかに反射し、なお一層の華やかさを演出しています。