ゴアの教会群と修道院群
ゴアの教会群と修道院群はインド南部の港町であるゴアに残るキリスト教の教会と修道院から構成される世界遺産です。16世紀のゴアはポルトガル領で、ポルトガルの首都リスボンをモデルに作られたこの都市は「東方一の貴婦人」という異名を持つ、ヨーロッパの街並みが広がる美しい都市でした。
現在はその街並みは無くなり、教会と修道院だけが、アジアにおけるヨーロッパ建築の痕跡として残されているのです。ゴアの地はキリスト教の普及に尽力した宣教師、フランシスコ・ザビエルの眠る場所。インドのカースト制度で苦しむ人々に、神の恩恵は等しく受ける事が出来るというキリスト教の教えを伝え、救いを与えたザビエルはゴアの人々に愛され、現在も多くの人々が巡礼に訪れているといいます。
ザビエルの眠る「ボム・ジェム聖堂」のほか、金箔で覆われた木彫り彫刻がある「アッシジ聖フランシス修道院教会」、最も規模の大きい「セ・カテドラル」など様々なキリスト教の宗教建設が保存状態が良く残っており、アジア世界におけるキリスト教布教活動の痕跡と、多くの文化の交流点となったインドの歴史を垣間見ることができます。