ジャイアンツ・コーズウェーは、イギリス・北アイルランドにある、火山活動で生まれた4万もの石柱群が連なる地域で、正六角形の石柱が海岸一帯を埋め尽くし、その距離は全長8キロにも及びます。「ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸」として世界遺産に登録されました。
巨人が造ったという伝説もあり、不思議な造形が海とマッチして神秘的な自然遺産となっていますが、その正体は、6000年前ヨーロッパ大陸西部の火山噴火によって流出した、大量のマグマが冷却してできた石柱群です。
伝説ではアイルランドの伝説の巨人フィン・マックールが、スコットランドの巨人ベナンドナーと戦いに行くためにコーズウェーを作ったとされています。1692年にデリーの司教によって、最初の発見が報告され、その後ダブリンの芸術家スザンナ・ドルリーが水彩画に描いたり、1765年にはフランスの百科全書第12巻で見出し語となったり、その名を歴史に残してきました。
この一帯は19世紀以降、特に路面電車のジャイアンツ・コーズウェー鉄道が開通した後は、観光地としても人気になり、1960年代になってからはナショナル・トラストに保護されています。
無数の奇岩怪石が並ぶ海岸の見どころ
巨人の道
六角形を下石群が海へ向かって広がる圧巻の姿を見ることができます。大自然の猛威が生みだしたアートはまるで人が手で作ったような精密に作られた石柱が広がっています。
ジャイアンツ・オーガン
高さ12mもある、切り立った列柱群。パイプオルガンのパイプを思わせる様子からこの名前が付けられました。
巨人の靴
岩の浸食が進んでできたブーツのように見える石。伝説の巨人が履いていたかも?
ピナクルズ
断崖の中腹にはピナクルズが見えます。六角形の柱が立ち並び宮殿のように伸びている姿を見せる柱は特に魅力的です。
チムニー・トップス
切り立った崖の向こうに煙突のように聳え立つ棒状に突き出た岩です。特徴ある姿なので遠くからでも分かります。他にもラクダのような形をした岩「キャメル」や、老婆のような岩「グラニー」など見どころが点在しています。
パワースポット
マグマ活動で造られた岩からは不思議なパワーを感じるスポットとしても知られています。美しい六角形をした岩の上に立つと、足元から大地のパワーが感じられるようです。ぜひ、試してみてください。
海岸線に続く大自然
設置してあるベンチに座り、断崖を縫うように歩道が伸びる雄大な景色を心ゆくまで楽しむのにピッタリのスポットです。
周辺には春はサクラソウ、夏はツリガネソウなど可憐な花が咲き誇り、荒々しい崖と草原を組み合わせた海岸線は見る価値ありです。海から吹き上げる上昇気流により、多くの海鳥が集まってきて、その鳥たちを狙ってくる猛禽類であるハヤブサの姿も見られます。
海岸よりはほぼ絶壁です。付近には多くの小径がありますが、その先はプツンと切れ絶壁になっています。また、植物などは厳重に保護されているので、北アイルランドならではの植物も見ることができます。
海岸周辺の楽しみ方
もとのビジターセンターがあった周辺には散策路もあり絶好のピクニックエリアとなっています。トレイユコースはレベルにより様々で、車いすやベビーカーで楽しめるものから、半日から1日かけて絶壁の上を歩き平原から森を抜ける本格的なコースまでが整備されています。
断崖の上には私有地の牧場も見え、周辺の海はロブスターの絶好の漁場となっています。
ビジターセンター
最新式の設備を持つビジターセンターがあります。ジャイアンツ・コーズウェイの歴史や伝説などを映像で見たり、六角形の謎を分かりやすく展示しています。特に巨大スクリーンに映し出されるフィン・マックール(伝説の巨人)が、神話や伝説を語り聞かせてくれるアトラクションは必見です。
センター内の展望エリアからは、ジャイアンツ・コーズウェイを見渡すことができます。ここから見渡す景色は絶景で、朝日や夕日に照らされるコーズウェイ海岸は神秘的です。特に夕日の美しさは必見です。
ここで、日本語オーディオガイドを借りることができます。
まとめ
コーズウェイ海岸には、ジャイアンツ・コーズウェイの他にも、コーズウェイ・コーストと沖合いの小さな島を結ぶ吊橋キャリック・ア・リード吊り橋も魅力的なスポットです。アイルランドの大自然と昔造られた神秘的な奇岩群のパワーを体いっぱいに感じてください。