| 名称 | 第一次世界大戦(西部戦線)の追悼と記憶の場所 |
|---|---|
| 国 |
フランス ベルギー |
| 登録区分 | 世界文化遺産 |
| 登録年 |
第一次世界大戦(西部戦線)の追悼と記憶の場所
2023年に開催延期された第45回世界遺産委員会において、フランスとベルギーの「第一次世界大戦(西部戦線)の追悼と記憶の場所」が世界文化遺産として登録されました。
「第一次世界大戦(西部戦線)の追悼と記憶の場所」は、ベルギーとフランスにまたがる北海からスイス国境までの約700kmにわたる旧西部戦線沿いに位置する、139か所の墓地や慰霊碑などで構成されています。
ここでは、階級・国籍・宗教・民族を問わず戦死した兵士一人ひとりの身元を特定して個別の墓を設け、身元不明者や行方不明者も含めて平等に尊厳をもって追悼するという、それまでの戦争にはなかった新しい人道的な考え方と埋葬慣行が世界で初めて徹底されました。
著名な建築家や造園家が手掛けたこれらの空間は、産業化された大規模な近代戦による深いトラウマを乗り越え、世界的な和解と平和を誓う象徴的な場となった点が評価され、2023年に世界遺産へ登録されました。
同様に人類の惨禍や対立の記憶を伝える世界遺産としては、第一次世界大戦の講和条約が結ばれたヴェルサイユ宮殿や、負の歴史を記憶する原爆ドームなどが挙げられます。
この遺産群を代表するスポットの一つであるベルギーのイーペルに位置するメニン門では、1928年以来、第二次世界大戦中のドイツ軍占領期を除いて毎日欠かさず夜8時に「ラスト・ポスト」と呼ばれるラッパの追悼旋律が奏でられており、世界中から多くの訪問者が参列しています。
また、構成資産の一つであるドゥオーモン骨堂があるヴェルダンの戦いの地は、1984年にフランスのミッテラン大統領と西ドイツのコール首相が手をつないで和解を誓い合った歴史的ニュースの舞台としても知られています。ほかにも、映画『1917 命をかけた伝令』などの舞台となった戦場跡や歴史的背景と深く結びついており、現在も身元不明の遺骨が新たに発見された際には厳格な礼節をもって埋葬されるなど、生きた追悼の伝統が受け継がれています。





