フランスの首都パリ南東、セーヌ=エ=マルヌ県に位置する、世界遺産「フォンテーヌブローの宮殿と庭園」は、フランスで最も大きな宮殿です。
フォンテーヌブローの森はもともと王の狩猟場として利用された広大な森。その森にあった質素な館を16世紀にヴァロワ朝フランソワ1世が基本的な建築構図がうちたて、「新しいローマ」の建設を目指してイタリアから数々の芸術家を招聘し、歴代フランス国王たちによりルネサンス様式の豪華な宮殿へと改築していきました。
フォンテーヌブロー宮殿
フォンテーヌブロー宮殿はフランス式の庭園を囲むように広がり、その宮殿の豪華な装飾は皇帝ナポレオンにより「これこそまさに王の宮殿なり」と称賛された程。
ナポレオンが好んで滞在した宮殿としても知られており、エルバ島に流される時には「別離の中庭」近衛兵に別れを告げるなど、数々の歴史上の舞台ともなってきました。
フォンテーヌブロー庭園
宮殿とともに世界遺産に登録されているフォンテーヌブロー庭園にはルネサンス庭園と英国式庭園があります。
ルネサンス庭園は、16世紀にフランソワ1世とアンリ4世によって整備されました。幾何学模様が図案化された花壇は、ここで初めて造られたそうです。
英国庭園はナポレオン1世によって現在の形に整えられました。庭園の中央にはディアンの噴水があり、この庭園はディアンの庭園と呼ばれています。
フォンテーヌブローの美しさは、洗練された細かな彫刻の意匠にあります。この新しいスタイルは後にヨーロッパ中に波及して、パリが「芸術の都」と呼ばれるきっかけとなったのです。