フェルテー湖 /ノイジードル湖の文化的景観
オーストリアとハンガリーの国境には湖がありますが、ここは「フェルテー湖」またの名を「ノイジードル湖」とも呼ばれて、人々から親しまれています。また、中央ヨーロッパで2番目に大きいこのステップ湖は、ヨーロッパにおいて有数の面積を誇る「塩水湖」としても知られており、現在では世界遺産にも認定されています。
フェルテー湖/ノイジードル湖のある一帯では、紀元前から、この地を取り巻く自然環境との巧みな調和を以てして、人々が生活を行ってきたと言われており、このことを示すような景観も、現在まで残されています。また、その後の時代においても、フェルテー湖/ノイジードル湖の一帯は、異文化間交流において、長きに亘って重要な場所となってきたという歴史もあります。
この湖の呼び名は、上述したように、国によって異なっていますが、湖とその湖畔の一帯の景観は、上述したような歴史を踏まえて、文化遺産としての価値を認められ、2001年に「フェルテー湖/ノイジードル湖の文化的景観」として世界遺産に登録されました。
湖の表面積は315km²で、うち240km²がオーストリア領に、残る75 km²がハンガリー領に、それぞれ属しています。集水域は約1,120 km²で、南北に約36 km伸びており、東西の幅はおよそ6kmから12kmの間があります。水深は深いところでもわずか1.8mとなっています。
湖の層位は、この湖が出来た紀元前18000年から14000年頃から、少なくとも100回は完全に干上がった歴史を示し、近現代の歴史上でも、湖の完全な消失は何度も詳細に記録されています。