ファールンの大銅山地域
ファールンの大銅山地域はかつてスウェーデンの銅生産を支えたスウェーデン中部のファールンにあります。
17世紀には、全世界の銅の生産量の3分の2を占め、「王国の運命は大銅山と共にある」と謳われました。
ファールンで最も目を引くのは、地表に開いた直径400メートル、深さ100メートルにも及ぶ巨大な穴です。露天掘りと無計画な採掘の結果、1687年に坑道が大崩落を起こした際の跡となっています。
この事故をきっかけとしてさらに鉱脈は地中深くへ根を下ろし、千年に及ぶ採掘によって出来た地下坑道には落盤の跡や、鉱石の運搬用に使役された馬が通った通路など、当時の作業を忍ばせるものが残されています。
ファールンの銅はスウェーデン王国の銅貨、フランスのヴェルサイユ宮殿などの巨大建築の屋根に使われています。1992年の廃坑後も当時の最盛期の面影を伝えています。