エッセンのツォルフェアアイン炭鉱業遺産群
エッセンのツォルフェアアイン炭鉱業遺産群はベルギーやオランダとの国境の近く、ドイツ西部ノルトライン=ヴェストファーレン州エッセンにあるツォルフェアアイン炭鉱やその工場跡地などからなる世界遺産です。
ツォルフェアアイン炭鉱の歴史は、デュースブルク生まれの企業家フランツ・ハニエルが現在のエッセン郊外にあたるカターンベルク地方に膨大な石炭層を発見し、1834年に結成されたドイツ関税同盟にちなんで「ツォルフェアアイン」と名づけたことから始まります。
1851年から操業を停止する1986年12月23日までの間にはいくつもの採掘抗が形成され、製鉄業の繁栄と共に大きく発展をしながら、さまざまな工法や採掘技術がこの地から生み出され、近代産業の発展に大きな影響を与えていったのです。
エッセンのツォルフェアアイン炭鉱業遺産群の見どころは、その建築美。1932年に開かれた第12採掘坑 「Pit 12」はバウハウス様式によってデザインされた2本の足を有する近代的な採掘抗で、建築上からも技術上からも傑作と呼べる建造物であり、「世界で最も美しい炭鉱」と称賛された巨大な炭鉱跡が緑豊かな地にそびえる様は、見るものを圧倒するスケールを持っています。