国境防衛都市エルヴァスとその要塞群
国境防衛都市エルヴァスとその要塞群は、ポルトガルのグアディアナ川から約8km離れた丘の上にある町に位置しており、17世紀ヨーロッパの国際政治情勢と密接に結びつく軍事建築の発展を伝える物として2012年に世界遺産に登録されました。
旧市街地は、1643年以降に建てられた、世界最大といわれる現在の塁壁で囲まれています。この世界遺産を構成するのは、
- これらの要塞群及び城壁
- イベリア半島で最長の長さを持つアモレイラ水道橋
- コンソラサオン教会とアスンサオン教会
- 古代ローマの要塞跡に築かれたエルヴァス城
- 美しい街並みがある歴史地区
です。
エルヴァスは、スペインとの国境から約15kmと近く、スペイン、ポルトガルの国境付近の要衝で、1658年と、1711年に、スペインとポルトガルによるエルヴァスをめぐる衝突が幾度となくおき、2度スペインも領となったこともありました。
ローマ時代には、HelvasあるいはAlpesaと呼ばれ、ムーア人の時代はBalesh、スペイン統治時代は、Yelvesと呼ばれていました。エルヴァス周辺は、肥沃な土地で、オリーブやプラムの生産でも有名です。
また、エルヴァスでは、ブランデーが蒸留されていて、陶磁器の生産も行われています。