エルジェムの円形闘技場
チュニジア南東部のエル・ジェムは、かつてローマ帝国の属州として繁栄を誇りました。同じくチュニジアのカルタゴ遺跡が紀元前の者なのに対し、エル・ジェムの円形闘技場は3世紀に作られたものになっています。1979年に世界遺産に登録されました。
円形劇場の周囲は400メートル、収容人員は3万5千人。アリーナと呼ばれる中央の舞台の直径は65メートルに及ぶ大型の闘技場です。地下通路には出番を待つ野生動物や、剣闘士たちの部屋が残されています。
ローマの穀倉地帯と言われた北アフリカの地でも、エル・ジェム周辺は特にオリーブオイルの生産で潤った土地といわれ、その富が建設資金にあてられたといいます。現在はその外壁が破壊されている闘技場は17世紀まではほぼ原型を保っていたと言われています。