モンテネグロにあるドゥルミトル国立公園には、標高2522mのドゥルミトル山を中心に、中生代末期から新生代第三紀のアルプス造山活動期の海底堆積物が残っています。
氷期には、氷河がドゥルミトル山脈を削り、ヨーロッパ最深のタラ峡谷(深さ1900m)や無数の氷河湖を形成し、起伏に富んだ美しい景観をつくり出しました。
ドゥルミトル国立公園は1980年、世界遺産に登録されました。モンテネグロには合計2件の世界遺産があり、世界自然遺産(ドゥルミトル国立公園)と世界文化遺産(コトルの自然と文化歴史地域)がそれぞれ登録されています。
ドゥルミトル山
ドゥルミトル国立公園の中にあるドゥルミトル山は、ディナル・アルプス山脈の延長線上に位置する山です。最高峰はボボトヴ・ククで、標高は2528mあります。
ドゥルミトルの名はルーマニア語で「眠るもの」を意味し、その名前は古代ローマの軍人たちが一帯を征服したときに、山の穏やかさを評して付けたものが元になったとされています。
一帯は「ヨーロッパ最後の秘境」といわれ、氷河期に形成された起伏に富んだ地形には多くの動物も生息しており、ヨーロッパオオライチョウ、ヒグマ、シャモア、オオカミなどが代表的です。猛禽類もイヌワシ、ボネリークマタカ、ヒメクマタカ、シロエリハゲワシ、ハヤブサ、ワシミミズクなど多彩です。