17世紀の末期、スウェーデンのローヴェン島に建てられたドロットニングホルム宮殿は、その優美さから「北欧のヴェルサイユ」とも称されている宮殿です。
スウェーデンの首都であるストックホルム郊外には、「メーラレン湖」と言う湖が存在していますが、同宮殿のあるローヴェン島は、その湖上に位置しています。
18世紀の姿がほぼそのまま残されており、1991年に「ドロットニングホルムの王領地」としてドロットニングホルム宮殿、宮廷劇場、中国離宮、庭園が世界遺産に登録されました。
現在、王家の住まいを除く一部が一般公開されています。
「ドロットニングホルムの王領地」主要スポット
ドロットニングホルム宮殿
17世紀半ば、それまで使われていた宮殿が火災の憂き目にあったことが、この宮殿建設の契機となりました。宮殿建設を命じたのは、当時の王妃であったヘドヴィーグ・エレオノーラで、建設を行う上で参考にしたのは、フランスの「ヴェルサイユ宮殿」だったと言われています。そのため、この宮殿は「フランス・バロック様式」の建物として完成しました。また、この宮殿の設計を担当したのは、当時のスウェーデンで強い影響力を持っていたニコデムス・テッシン親子です。
ドロットニングホルム宮廷劇場
王宮庭園の一角、ドロットニングホルム宮殿のすぐ近くには、18世紀に改築されたドロットニングホルム宮廷劇場があります。現在も夏には、当時のままの舞台装置を使ってオペラが上演されています。
中国離宮
バロック様式の庭園の一角にある中国離宮。ルヴィーサ・ウルーリカ王妃の誕生祝いにアドルフ・フレドリック王が贈られたものです。ヴェルサイユ宮殿のような宮殿とは全く異なった雰囲気は逆に面白さを感じます。当時のヨーロッパの人々がどれほど中国に対する関心が深かったかを垣間見ることができます。
ドロットニングホルムの庭園
ドロットニングホルム宮殿の敷地内にある、優雅さと気品に満ちた広大な庭園。バロック様式庭園と、更に広大なイギリス庭園が造られています。一般に無料で公開されている庭園の面積は約90haもあり、東京ドーム19個分の広さがあるといわれています。