ドニャーナ国立公園
ドニャーナ国立公園は、スペイン南部のウエルバ県とセビリャ県、カディス県にまたがる、ヨーロッパでも最大級の自然保護区から構成される世界遺産です。
ドニャーナ国立公園は14世紀から貴族たちの狩猟場として保護され、大規模な土地開発を免れてありのままの豊かな自然環境を残す土地。507220ヘクタールにも及ぶ広大な公園内の半分以上は湿地帯ですが、砂丘や雑木林、海岸やラグーンなどの多種多様な地形が複雑に混ざり合い、それぞれが美しい景観を形成しています。
公園内の湿地は毎年50万羽もの渡り鳥や水鳥たちが越冬のために訪れる、鳥の楽園。豊かな自然は多くの動植物の避難先ともなっており、絶滅危惧種であるスペインオオヤマネコの最後の隠れ家でもあることから、生物圏保護区、ラムサール条約登録地にもなっています。
ドニャーナ国立公園に見られる景観として有名なのはドゥナス・モビレスと呼ばれる移動砂丘。大西洋に面した部分の砂丘が高さ40mに変動して年間平均6mも移動するダイナミックな動きで、あたり一面の様子は一変してしまう光景は圧巻の一言に尽きます。