クロアチアの南部に位置する街スプリトは、現在でも、とりわけ大規模な都市であることで知られています。このスプリトの中心部に該当する区域には、「ディオクレティアヌス宮殿」という遺跡が残されています。
この宮殿は、ローマ帝国時代の建造物として、大変貴重な遺跡となっており、1979年には、スプリトのディオクレティアヌス宮殿と歴史的建造物として、世界遺産に登録されました。
「ディオクレティアヌス宮殿があるスプリトの歴史的建造物群」主要スポット
ディオクレティアヌス宮殿と城壁
ディオクレティアヌス宮殿は、同遺跡の名称にもあるローマ皇帝であったディオクレティアヌス帝が、305年に皇帝の地位を退いた後、暮らしていた建造物であると言われています。
ディオクレティアヌス宮殿の建造が開始されたのは、ディオクレティアヌスが皇帝の座を降りた年である305年から遡ること10年の295年であったと言われています。
ディオクレティアヌス宮殿の南半分はディオクレティアヌスの私邸として使われていました。その地下には巨大な地下の空間が広がっています。もともとは1階ですが1年間に1mmの地盤沈下が起こっており、今では完全な地下空間になっています。
洗礼室はもともとはディオクレティアヌスが自身を神格化して造らせたローマ神ユピテル神殿(ジュピター神殿)でした。後にキリスト教の聖ヨハネの洗礼室として改築されました。
聖ドムニウス大聖堂と鐘楼
聖ドムニウス大聖堂は ペリスティル広場の東側にある八角形のロマネスク様式の大聖堂。スプリットの守護聖人ドムニウスが祀られています。ディオクレティアヌス宮殿内では一番見応えのある建物です。
ディオクレティアヌス宮殿の南門から北へ進み地下を通ると、円形の広間に辿り着きます。ここがかつて皇帝私邸の玄関広間です。広間が前庭となっており、かつてモザイクで装飾され円屋根があった天井を見上げると、丸く穴が開きちょっと不思議な空間です。