デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群
アレクサンドロス門の伝説が残るデルベントは、ロシア・ダゲスタン共和国第2の都市として知られています。カスピ海に面し背後に大カフカズ山脈の迫るこの地は、今も昔も要害の地です。
モンゴル、アラブ、イランに支配された歴史があり、「千一夜物語」に登場するカリフ、ハールーン・アッ=ラシードが住んでいたことも。現在も交通の便がよく、ブランデーの産地として有名です。
その歴史は紀元前8世紀までさかのぼり、紀元5世紀にはササン朝ペルシャによって城塞都市となります。デルベントの由来はペルシャ語の「閉じられた門」。ササン朝の皇帝カワード1世の時代にはすでに使われていました。
二重かつ平行な城壁を作ったのは、彼の息子ホスロー1世。斜面に建設された約40kmの城壁と多くの監視塔は、今でも威容を誇っています。町はこの城壁の中に造られ、6世紀のキリスト教のバジリカ、8世紀のモスク、15世紀のマサドラ、19世紀のアルメニア正教の教会があります。
世界遺産にはこの城壁の中が「デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群」の名で2003年に登録されました。