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デロス島



ギリシャのミコノス島からフェリーに乗って30分、現在のデロス島は日中のみ観光客の訪れる無人島です。 デロスとはギリシア語で「明るい、輝いた」という意味。

エーゲ海に浮かぶこの小さな島は古代からエーゲ海の中心で、拠点としての役割を果たしていました。

1990年、デロス島は島全体がギリシャの世界遺産に登録されています。

 島全体が世界遺産のデロス島とは

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アテネの東南東約150kmに位置する花崗岩からなる面積3km²の小さな島ですが、島全体には古代遺跡が多く残り、廃墟美と神話にふさわしい神秘的な雰囲気が漂う島です。

太陽の神アポロンとその双子で月のアルテミスの誕生の地としての神話が残り、歴史上ではペルシア戦争に勝利した後、ペルシアの攻撃を防ぐ目的でアテネを中心にポリスが団結して紀元前478年に結成したディロス同盟で知られています。

紀元前2000年頃には既に人が住んでいました。かつての政治・経済・文化の中心となり繁栄。前89年にはじまったミトリダテス戦争でローマ側に着いたデロスはアテネ軍とポントス軍により攻撃され島の人々約1万人が虐殺されました。
727年にイザウリアのレオ帝の軍に、763年にはスラブ人に、821年にはクレタ島のセラセン人に略奪されました。1566年にはオスマントルコが占領しましたが、この島にはもはや用途はなく、その後は海賊の巣窟になりました。
それらの変遷を遂げた後に、島全体が廃墟になってしまいました。

それから長きに渡り忘れ去られた存在でした。1873年に、フランス考古学者会の発掘調査によりかつてを偲ばせる多くの遺跡が発掘され、現在も発掘調査は続けられています。今でも住む人はなく宿泊施設もありません。

神話に彩られた世界遺産島を歩く

島は、多くの巡礼者が訪れた神域・デロスのシンボルライオン像の区域・かつての住宅遺跡が残る劇場区域の3つに分かれています。アポロン神殿、古代劇場、貴重な住宅遺跡は特に記憶にとどめたいスポットです。

photo credit: Delos 2008 via photopin (license)

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船が島に着くとそこが遺跡の入口となっています。アポロン神殿に向う途中に、石畳のアゴラ広場にでます。左手には紀元前3世紀にマケドニアの王「フィリップ5世」によって建てられた柱廊、右手には同時期に建てられた小アジアの都市ペルガモンの王たちによって建てられたといわれる柱廊があり、柱はなく土台跡のみが残っています。巡礼者が通り抜けたことを物語るプロピュライアの前門もわずかな部分だけが残されています。

アポロン神殿

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太陽の神アポロンに捧げた神殿。デロス同盟が結成された紀元前5世紀に着工され、紀元前3世紀に完成しました。この島の大理石を使ったドリス式の壮大な建物でしたが、現在はほんの数本の柱を残すのみとなっています。

また、同盟の金庫もここに置かれていました。このことから当時は経済的にも豊かだったことが分かります。アテネに金庫が移されると同時に一時期工事が中断されてしまいました。現在は土台のみが残っています。アテネに移された金庫のお金を使って、パルテノン神殿の完成とアクロポリスの再建がなされたことも知られています。

ライオン像

アポロン神殿を北に進むと、観光客にも大人気の5頭の白い大理石造りのライオン像が見えます。紀元前7世紀に奉納されたもので、当時は9頭あったと伝えられています。

盗難などに見舞われ、現在5頭が残るのみ。ここに並んでいるのはレプリカで、本物は保護のため考古博物館に収められています。海側から聖域を見守るように並ぶ姿は壮観です。

 聖なる湖

ゼウスの愛人レトがアポロンとアルテミスを生んだとされる聖域です。現在は1924年にマラリア蚊が発生したため埋め立てられ空き地になっています。広大な草むらの中に神話に因んだシュロの木が1本立っています。

【ここでは簡単にこの島にまつわる神話をご紹介します。】

レトから生まれる子供は、美と才能に秀でた子だと予言されていました。ゼウスの浮気により、レトが妊娠したことをゼウスの正妻のヘラが知り激怒しました。激しく嫉妬したヘラは、レトに出産する場所を与えてはならないと命令を下しました。レトは身重の体で出産の地を探すことになりました。子供たちの父ゼウスは、エーゲ海に浮いていたデロス島を海上に引き上げ固定し、出産の地を作りました。海の神ポセイドンはゼウスに頼まれ、この島を高い波で隠しヘラから見つからないようにしました。レトはシュロの木にもたれて双子のアポロンとアルテミスを生みました。ヘラが自分の娘である出産の神エイレイチュイアを引き留めていたので、かなりの難産で生まれるまでに9日9晩もかかったそうです。

現在植えられているシュロの木は神話に因んで後に植えられたものです。

イタリア人のアゴラ

デロスは国際商業都市としても栄えました。イタリアやエジプト、シリアなどからも、裕福な商人が集まりました。現在のレバノンの卸売商や船頭たちが集まっていたポセイドンのストアなどが見られます。

デロス考古学博物館

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遺跡のど真ん中に建つ博物館。アルカイック期の石像など島から出土したお宝が展示されています。ライオン像5頭や床のモザイク画や柱などの建造物や生活道具なども展示され見応えがあります。

イーシスの神殿

エジプト人たちはセラピスやイーシスなど自分が信仰する神々の神殿を建設しました。国際色豊かな神殿を見ると、さすが国際都市といった感覚に捕らわれます。

キントス山

標高約110mの山。山頂にはゼウスの聖域があります。また、アポロンが生まれたのはこの場所だという説も残されています。この高台から望むエーゲ海と遺跡、他の島々のコラボレーションは素晴らしい眺望です。

古代人の住宅

photo credit: Delos via photopin (license)

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キストン山麓から港にかけて点在する住宅遺跡。紀元前2世紀頃、海上貿易で富を成した商人たちの家があり、自分の家を豪華に装飾しました。ギリシア時代のものとして価値の高いもので、ローマ時代のものはポンペイなどに残っていますが、この頃の遺跡はここだけでしか見られません。ディオニソスの家やクレオパトラの家など、古代の富豪たちの邸宅で素晴らしいモザイク画が残っています。

ドルフィンの家

photo credit: IMG_7659 via photopin (license)

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紀元前125年に建てられた家です。中庭にはイルカをモチーフにしたモザイク画が残っていることからこの名前がつきました。隣には豪華な2階建ての仮面の家があり、酒神のディオニュソスと踊るシーレノスなどのこちらのモザイク画も素敵です。

古代劇場

古代住宅地の中にある古代劇場。5500人の観客を収容できるほど広い劇場です。紀元前3世紀ごろは荘厳な建物だったと予想されますが、現在は半円形に積まれた客席が残るのみです。ローマ式の円形劇場とは違い、ギリシア式は240度の弧を描いているのが特徴です。

他にもポセイドン神殿やコメディアンの家、貯水システム跡など魅力的なスポットがたくさんあります。

デロス島のまとめ

photo credit: IMG_0162.JPG via photopin (license)

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キントス山頂から見下ろす遺跡は、青い海を背に美しく壮大な景色です。ほとんどが壊れてしまっていますが、面影を感じられるものもあり感動を覚えます。

モザイク画や柱の彫刻など、古代文化の素晴らしさも存分に体感することができます。ぜひ、訪れてみてください。

 

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