古都ダマスカス

「古都ダマスカス」の基本情報
シリア
登録区分 世界文化遺産
登録年

1979年

世界遺産に登録されている古都ダマスカスは、中東シリアに位置する古代都市です。「オリエントの真珠」と称され、世界最古の都市の一つとして知られています。この街は、古代よりメソポタミアと地中海を結ぶ東西交易の要衝として発展してきました。

伝説によれば、天国を追われたアダムとイヴはダマスカス北部のカシオン山に降り立ったとされています。また、この山は人類最初の殺人が起きた場所としても知られています。ここでアダムの息子カインが弟アベルを殺害したと伝えられています。さらに、聖パウロがダマスカスへの道中で天の光を受けて回心し、イエスの使徒となった出来事もこの街にゆかりがあります。

紀元前3000年頃から、ダマスカスはアラビア半島、メソポタミア、地中海を結ぶ交易路の交差点として繁栄しました。そのため、交易の利益や水資源を求めて、多くの民族がこの地を支配しようと争いました。エジプト、アラム王国、ペルシア、ギリシャ、ローマ帝国といった勢力が次々とこの街を支配し、紀元7世紀にはイスラム勢力の統治下に入りました。

ダマスカスの黄金時代が訪れたのは、7世紀半ばにイスラム初の王朝であるウマイヤ朝が成立し、ダマスカスを首都と定めてからです。この時期、かつてキリスト教の聖堂があった場所に壮大なモスクが建設され、街は政治・経済の中心地として栄え、多くの学者や詩人、商人が集まり、世界最高水準の文化が花開きました。

その後、ダマスカスは十字軍の襲来、モンゴル帝国の侵略、オスマン帝国の支配など、数々の歴史的出来事を経験しました。この街の歴史を象徴するのが、城壁に囲まれた旧市街です。

ローマ帝国が前1世紀に築いた城壁は、13世紀初頭に十字軍やモンゴル軍に備えて再建されました。旧市街の西側には、ウマイヤド・モスクをはじめ、スーク(市場)やマドラサ(イスラムの高等教育施設)など、イスラム文化の色濃い建造物が立ち並び、オスマン帝国時代の美しい宮殿も残っています。一方、東側には聖パウロゆかりの聖堂など、多くのキリスト教の聖堂が点在しています。

世界最古のモスク「ウマイヤド・モスク

ウマイヤド・モスクはイスラム教の4大聖地の1つに数えられており、世界中から巡礼者が訪れます。古都ダマスカスの旧市街を東西に走る『まっすぐな道』は、新約聖書に登場することでも知られています。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称古都ダマスカス
シリア
登録区分 世界文化遺産
登録年

1979年

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