クルシュー砂州
クルシュー砂州は、リトアニアとロシアの飛地カリングラード州にまたがる砂州です。全長98kmで北から52kmがリトアニア領、残りがロシア領。幅は3.8kmから0.4kmで、バルト海とクルシュー・ラグーンに分かれています。日本の砂州は天橋立がよく知られていますね。
伝説では少女ネリンガが遊んでいたら出来たとあります。実際にはモレーンの島々が砂でつながり、紀元前3000年には現在の砂州になったそうです。13世紀になるとドイツ騎士団がこの地を占領し、城を築きました。16世紀には過放牧や木の切りすぎで森林が破壊され、砂州が砂丘になり多数の村が消滅してしまいました。事を重くみた政府は植林や緑化運動を始めます。
現在でも砂州の大半が森林で覆われているのは、これのおかげです。今も観光客の増加や近くの油田などによる環境問題、自然災害に悩まされています。世界遺産に登録されたのは2000年。様々な問題に直面しつつも守り続けてきた文化的景観が評価されてのことでした。