コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観
「コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観」はフランス南部のコース地方とセヴェンヌ地方に今もなお残る、伝統的な羊の牧畜や農耕の文化的景観からなる世界遺産です。
フランス南部の中央高地を形成するセヴェンヌ山脈は地中海性気候に属し、標高の高い位置では徐々に山岳気候となり、春分・秋分頃に起きる大雨により豊かな牧草が育まれる土地。山深いセヴェンヌ地方には伝統的な移牧によるヒツジの牧畜が今もなお続けられ、牧草を求めて山へと何万頭もの羊とともに移動して生活をすることにより、自然豊かな山々の間に根差した人々はセヴェンヌに美しい牧歌的な景観をつくりだしました。
コース地方もまた羊の牧畜が盛んで、世界的に有名な羊の乳のブルーチーズ、ロックフォール発祥の地。自然を生かした熟成方法が独特の味わいを生み出した伝統的な製法は今もなお続けられており、何世代にもわたって人と羊が紡いできた歴史と伝統を垣間見ることができます。