コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観
イギリス・南西部のコーンウォール州からデヴォン州西部は、18世紀から19世紀の産業革命の時代、銅やスズの採掘で栄えた地域です。牛や馬が草を食む草原には、当時使われた煙突や、レンガ造りの動力施設の廃墟が、無数に点在しており、その景観が世界遺産になっています。
地下鉱山、エンジン・ハウス、鋳造所、ニュータウン、小さな畑、港湾、関連産業群などは、いずれも19世紀初頭には世界で供給される銅の3分の2を産出するまでになった豊かな技術革新を反映するものとなっています。
この地の鉱業はスズの鉱山開発から始まり、1800年代後半には、コーンウォール東部からデヴォン西部にかけての産出量は、当時の世界的な需要の半分にあたっていたほどの規模がありました。
1860年に銅の暴落が起こると、スズの生産が中心となり、以降コーンウォールでの鉱業は衰退の途を辿っていきました。 コーンウォール地方の鉱山は、ヨーロッパで最後まで採掘していたスズ鉱山であるプールのサウス・クロフティ鉱山が1998年に閉山されたことをもって、幕が閉じられています。