コルドバは、スペイン南部のコルドバ県の県都で、アンダルシア地方の中心都市セビリア東北東122㎞に位置します。
コンスタンティノーブル、ダマスカスとならび、「西方の宝石」と呼ばれる美しい都です。千年ほど前、ここに一大文化が栄え、ヨーロッパ随一の大都会が形成されました。
コルドバの歴史の始まりは、ローマ帝国時代までさかのぼります。ローマ帝国の植民地「ベティカ」時代、そして、ローマ帝国の衰退後、6世紀にはキリスト教国の支配下に置かれました。
8世紀になるとイスラム教徒ムーア人が築いた王朝の都となりました。その後、10世紀イスラム今日カリフ王国の時代に最盛期を迎えます。
コルドバの街は、その歴史の影響を受け、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の3つの宗教・文化が入り混じった、複雑で独特の景観を今に残しています。コルドバの市街には迷路のように入り組んだ路地や白い壁に囲まれたパティオと呼ばれる中庭など、イスラム文化のたたずまいが今も残っています。
コルドバ歴史地区は、1984年に世界遺産に登録、1994年に内容が変更されています。メスキータやローマ橋などの建造物とユダヤ人街が登録されています。
「コルドバ歴史地区」主要スポット
メスキータ(聖マリア大聖堂)
メスキータは、イスラム教徒が造った円柱の森、ミフラーブ、キリスト教徒が建造したマヨール礼拝堂はもちろんのこと、モスクのミナレットを改造した鐘楼など、イスラム教とキリスト教の文化が共存する建築物として人々を魅了し続けています。
コルドバのアルカサル
スペインにあるコルドバの旧市街にあるアルカサルは、レコンキスタでコルドバを制したカスティーリャ王アルフォンソ11世の命により建設された王宮です。14世紀前半に建設された王宮は、イスラム教徒の職人たちがキリスト教の装飾法を取り入れ、開花させたムデハル様式で建てられています。
ユダヤ人街
メスキータの北側に広がるユダヤ人街は、かつて、スペインの政治経済を支える存在であったユダヤ人によって造られました。迷路のように入り組んだ路地の両側には、花の小鉢を飾った白壁の家が並び、各家にはアンダルシアの暑い夏を快適に過ごすための中庭があります。