ホーフ庭園とホーフ教会
(ヴュルツブルク司教館、その庭園群と広場)
ヴュルツブルク司教館(レジデンツ)部分の敷地の約3倍の大きさを誇る美しい庭園。随所に彫刻が配され訪れた人を魅了しています。この壮麗な庭園を含めて「ヴュルツブルク司教館、その庭園群と広場」として1981年に世界遺産に登録されました。
ホーフ庭園
庭園といっても他の宮殿のような広大なものではなく、比較的小さなものが複数あり宮殿を囲んでいます。
イチイの木の刈込が名物の南側の庭園
宮殿の南にある庭園には噴水の周りに植えられた、イチイの木々が円錐形に刈り込まれた姿がこの庭園の名物になっています。木の周辺には花壇が設けられ、遠近感を演出しているようです。
木の下に絡むように置かれた彫刻はとても美しく不思議な世界観を見せています。宮殿を背景にこの彫刻の写真を撮る人も多いようです。
絵のような風景が見られる庭園
宮殿の東にはぐるりと半円状の唐松のアーケードで囲まれた庭園があります。春から夏にかけてバラの花が美しく咲き誇る、幾何学模様の緑豊かな公園部分では市民の憩いの場となっています。
ヴェルサイユ宮殿同様放射線状の通路や生け垣、噴水テラスなどが巧みに配置されています。
穏やかな坂に造られたアーケードの中を上がると高台に出ます。ここから振り返って宮殿をアーケード越しに見ると、額縁に入った絵のように見えてとても魅力的です。
また、階段の欄干には天使が様々なポーズをとった彫刻が並び、まるで天国にいるかのような雰囲気が漂っています。また、散策道も設置されているのでゆっくりとお散歩を楽しむことができます。
名誉の中庭
宮殿の正面にある西側の庭園にある、フランケン地方の守護神である女神フランコニアの噴水がある名誉の中庭。女神フランコニアの足元にはヴュルツブルクゆかりの3人の芸術家の彫像があります。(フォーゲルヴァイデ・グリューネヴァルト・リーメンシュナイダー)中庭の美しいモザイクの舗装は1894年に施されたものです。以前ここには堅牢な塀があり正門があったといわれています。
ホーフ教会
宮殿の南端にある付属の教会。ロココ風鉄門の庭園入口手前の通路を入った場所にあります。贅を尽くした装飾が有名で、赤、紫、灰色の大理石に金細工を施した柱も見ものです。また、天井には天使が飛び交っています。
祭壇には十字架に架けられたキリストと上段にマリア像が飾られています。マリア像の周りにも金の羽を持った天使が装飾されキュートな姿を見せています。また、左右の祭壇画はティエポロ作です。
高い天井に壮麗な輝きを放つ金細工とモザイク画の美しさには惹かれるものがあります。
まとめ
毎年春から夏にかけて、宮殿や庭園でモーツアルト音楽祭が行われています。豪華な「皇帝の間」での演奏や夜に月の光の下で行われる庭園で聞くセレナードは溜息ものです。
1922年からと古い歴史をもつ音楽祭で、日本人を含む世界各国から招かれた演奏家たちの奏でる美しい音色を聞きに多くの人が訪れています。ロマンティックな雰囲気を味わえる素敵なセレモニーなので時期が合えばぜひ。
「ホーフ庭園とホーフ教会」のデータ
国名 | ドイツ |
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世界遺産名 | ヴュルツブルク司教館、その庭園群と広場 |
名称 | ホーフ庭園とホーフ教会 |