ウエストミンスター宮殿
(ウエストミンスター宮殿、ウエストミンスター大寺院及び聖マーガレット教会)



議会制民主主義誕生の舞台となった建物、ウエストミンスター宮殿は、世界で最も有名と言ってよい国会議事堂です。

かつて王宮だった建物は火災で焼失し、現在あるゴシック様式の壮麗な建築は19世紀に再建されたもの。全長約265m、1100を超える部屋、100の階段、中庭数11と、議会政治のシンボルにふさわしい壮大なスケールを誇ります。併設されているビッグ・ベンはロンドンのランドマークになっています。

ウエストミンスター宮殿の歴史

ウェストミンスターの地に初めて王宮が建てられたのは、11世紀半ば、懺悔王の名で知られるエドワード王の時代でした。1529年にヘンリ8世が王宮をホワイト・ホールに移してからは、今日まで、国会議事堂として使われています。 旧来の建物は1834年の火災で焼失し、 1860年、現在の建物が完成しました。

イギリス議会は聖職者や貴族からなる上院と、選挙で選ばれた代表からなる下院で構成されています。この二院制は14世紀半ばにはじまり、1547年からは上下両院が宮殿内にそれぞれ議場を持ち、議会活動を行うようになりました。

1642年1月、その議場で事件が起きました。時の国王チャールズ1世が、兵を率いて下院議場に乗り込んできたのです。1625年の即位以来、隣国スコットランドにイギリス国教会への帰依を強要し、戦火に発展させた王は、軍費を捻出するため不法な課税で国民を苦しめました。これに反発した下院議会が、国王の悪政を204カ条も列挙した「大抗議文」を通過させたことに立腹した王は、 ピューリタン(清教徒)を中心とする主要議員の逮捕を求め議場に乱入。だが下院議長は毅然として王の要求を退けました。

「ここでは議長といえども議会のしもべです。私は議会の決定に従うだけです」 そして国王と議会の対立は内戦に発展。ピューリタン革命です。6年に及ぶ戦いの末、国王軍は敗れ、1649年1月、王は国民の敵とみなされ、斧で首をはねられました。
「この台は低い。もう少し高い台をもて」。 これが処刑台から下した王の最後の命令でした。以来、今日まで、イギリス国王がウェストミンスター宮殿の下院議場に足を踏み入れることは許されていません。

ウエストミンスター宮殿の再建

ウエストミンスター宮殿の再建1834年に大半が焼け落ちたウエストミンスター宮殿の再建には、1840年から20年が費やされました。設計案は公募され、97の作品から、イギリス建築界の第一人者チャールズ・バリーの案が選ばれました。彼は宮殿の西に建つウェストミン スター大寺院内のヘンリ7世礼拝堂と の調和を優先し、ゴシック・リヴァイヴアル様式を採用します。その特徴は窓の直線格子や尖塔に表れていて、モダン建築が主流の19世紀に、ゴシック様式の復活は大胆な試みでした。

豪華な内装を手がけたのは、やはりゴシック様式の復活を唱える当代きっての建築家オーガスタス・ピュージンでした。彼は1100余りある部屋を結ぶ廊下を最短の全長4.8kmにまとめ、廊下には聖人や歴代政治家の肖像画や彫刻を飾り、中央ロビーの天井には美しいモザイク画を配しました。

ロンドンのシンボル、ビッグ・ベン

photo credit: DSCN0072 via photopin (license)

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宮殿の北端には、ロンドンのシンボル、 時計塔のビッグ・ベンが立ちます。バリーに時計の知識がなかったため、ここだけは、宮殿とは別に、デザインと工法が公募されました。そのため、ビッグ・ベンの建設着工は、宮殿の建設開始より12年遅れています。遅れを取り戻すため、工事は昼夜を問わず進められました。
世界遺産・ビッグベンそして、5年後、時報を告げる大鐘を、地上64mの鐘楼に設置する日がやってきます。ところが、宮殿の前庭で試し打ちをすると、鐘は二つに割れてしまいます。この事故で時計塔の完成はさらに遅れることになりました。そして、ついにビッグ・ベンの鐘の音がロンドン市内に響きわたったのは、さらに2年後の1859年7月11日のことでした。
当時の大鐘は、一日2回グリニッジ天文台の標準時と照合されたため、時報の最初の鐘は標準時と誤差1秒以内に鳴るという精巧さでした。

イギリスの世界遺産 ウエストミンスター宮殿、ウエストミンスター大寺院及び聖マーガレット教会

 

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  1. ロンドン大好き! より:

    地下鉄を降りてすぐに目の前にあるビッグベンには圧倒されます!

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