嘆きの壁
(エルサレムの旧市街とその城壁群)
ユダヤ人にとって魂の故郷ともいえる聖地「嘆きの壁」。エルサレムの旧市街にあるこの壁の前ではユダヤ教徒が祈りを捧げています。
「嘆きの壁」の起源
かつてのイスラエル王国の首都エルサレムの北側、現在「神殿の丘」と呼ばれるモリヤの丘に紀元前965年頃、ソロモン王が神殿を建てました。
神殿には神がモーセに与えた法律の石版を収めた『契約の櫃(ひつ)』が安置され、聖地となりました。
第一神殿と呼ばれる最初の神殿は前586年に破壊され、前515年頃に、第二神殿として再建されます。前20年にはローマ帝国がユダヤの王に任命したヘロデ王により、大改築されました。
80年あまりの歳月をかけて完成したヘロデ王の神殿は、当時「誰も見たことも聞いたこともない絶美の建物」と称賛するほど壮麗な建造物だったと言いますが、数年後の紀元前70年、ローマ軍によって破壊されてしまいます。
神殿の破壊と同時に、ユダヤ教徒は以後、エルサレムへ立ち入ることさえ禁じられ、2000年近くにわたって世界に離散することになります。4世紀には一年に一日だけ立ち入りが許されるようになり、残っている壁に向かい、彼らは祖国喪失を嘆き、なき祖国の復興を祈りました。
現在『嘆きの壁』あるいは、『西の壁』と呼ばれているのは、ヘロデ王の神殿を囲む壁の一部なのです。
「嘆きの壁」のデータ
国名 | 中東 |
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世界遺産名 | エルサレムの旧市街とその城壁群 |
名称 | 嘆きの壁 |