ヴェナリア城
サヴォイア王家の王宮群

イタリアの世界遺産「サヴォイア王家の王宮群」の中でも圧倒的な美しさをもつ、10年もの月日と300億円もの費用をかけて修復された夏の離宮ヴェナリア城。広大な庭園は、まるでヴェルサイユ宮殿のようです。

王宮及びその庭園、マダーマ宮殿、カリニャーノ宮殿、ヴァレンティーノ城などと共に人類の歴史上重要な時代を例証するものとして、1997年にユネスコ世界遺産に登録されました。

白と光の共演が美しいお城

ヴェナリア城は1659年に公爵カルロ・エマヌエレ二世の夏の離宮を作ろうと計画したお城です。建築家アメデオ・カステッラモンテがヴェルサイユ宮殿をモデルにして1675年に完成させています。

1693年、フランス軍により大きく破壊されましたが、1693~1714年にはガローヴェによって、1716~1722年に当時偉大な建築家とされたフィリッポ・ユヴァッラと他の芸術家により改修・増築されました。また、1750年ごろにはべネデット・アルフィエリにより修復がされています。

50年もの間、管理されていない時期がありました。お宝はナポレオンの頃から持ち出され、第二次大戦の頃には調度品や美術品など全てを失い、更に床の大理石までもがなくなってしまいました。

現在では修復も完了し、サヴォイア王家のお城の中で最も壮麗な宮殿の一つとされるようになりました。18世紀の建築技術と荘厳さを表現する代表的事例の一つとされています。

ヴェナリア城の見どころ

ディアーナのガッレリア(大回廊)

【世界遺産】ヴェナリア城 | サヴォイア王家の王宮群

photo credit: Torino via photopin (license)

最大の見どころの大回廊は、44もの窓から差し込む光がとても神秘的です。長さ83mあり、漆喰で作られた壮麗な壁や天井には装飾が施され、これには薄い水色やクリーム色で着色されています。この繊細な配色と緻密な彫刻、白と黒の床の大理石が織りなす華麗なバロック様式の空間は見る人の目を釘付けにします。

ローマ帝国時代の栄えていたころは、毎晩のように舞踏会が行われていたようです。現在は展示会場となり、様々な催しが行われています。

聖ウベルト礼拝堂

白い内装で温かみのある王室礼拝堂。天井はだまし絵のようになり、フレスコ画で彩られたクーポラとなっています。

館内には宮殿に住んだ歴代の貴族の肖像画がならび、部屋の壁や天井にはフレスコ画や絵画が飾られています。階段にいる貴族衣装を身に纏ったマネキンたちも当時の雰囲気を醸し出してくれます。

庭園

この庭園は、17世紀後半にヴェルサイユ宮殿の庭園をモデルにして建築家のアメデオ・カステッラモンテによって造られた広大で美しい庭園です。その後フィリッポ・ユヴァーラによって、以前の図面を基に修復されています。精密な大階段のあるイタリア様式の大庭園は80haもあり見応えがあります。時計塔や噴水、3つのテラスなど見どころもたくさんあります。

ナポレオン時代からは軍隊として使われました。それにより傷み放題で、王宮が長い年月と2億8千万ユーロもの費用をかけて王宮と共に修復し、2007年より一般公開されるようになりました。また、1909年に詩人ダンヌンツィオがイタリアで初めて飛行機に乗ったのがここです。

ヴェナリア城のまとめ

トリノから15キロほどにあるこの美しいお城は、狩りのために作られました。トリノへ訪れた際は絶対に訪れたいスポットの一つです。ぜひ、当時のサヴォイア王家の栄華とお城の美しさをご自身の目でご覧ください。

「ヴェナリア城」のデータ

国名 イタリア
世界遺産名サヴォイア王家の王宮群
名称ヴェナリア城

 

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