アルカラ大学

アルカラ大学は1499年にシスネロス枢機卿によってコンプルテンセ大学として創設された、世界でも有数の歴史をもつ大学。

スペインで一番古い大学は1218年設立のサラマンカ大学で、それに次ぐ2番目(前身の1298年にサンチョ4世王が設立した大学「スタディアム ジェネラーレ」。)に古い大学です。

マドリードに移転しましたが、1977年に大学復活の声が高まり現在のアルカラ大学が開学されました。現在ではスペインで最も権威ある公立大学のひとつとなっています。

当時の大学は規則が厳しく、遅刻者などを罰する牢まであったといわれています。小さな部屋に寝泊まり、ろうそく1日2本と図書館からの本、わずかな衣類のみで勉学に勤しんでいたようです。裕福な家の寮と貧しい人の寮とは建物が別になっていました。現在の自由な大学生活とは違い、勉学に集中していたと想像されます。

アルカラ大学の外観

アルカラ大学の一番の見どころは立派なファサードで、1553年に造られたプラレスコ洋式(ルネサンス様式)の傑作。サラマンカやセゴビアの大聖堂も設計したロドリゴ・ヒル・デ・オンタニョンの作品です。

大窓や宗教彫刻、浮き彫りなどで装飾された石造りのプラテレスコ様式のファサードは優雅な装飾と見事な金属細工が施された鉄格子で飾られ圧巻です。2階部分の柱にすがる人物などの彫刻なども見もの。

「哲学者のパティオ」や「三ヶ国語パティオ」などいくつかの中庭も残されています。綺麗に修復されたパティオの地面には大学の紋章があり、優雅な姿の白鳥も刻まれている。

1つ目のパティオを進むと、3階建ての3心アーチが使われ、屋上にも透けたパラストレードが配されています。1階はトスカーナ式、2階はドリス式、3階はコンポジット式で造られ、2階の柱にはシスネロス枢機卿の紋章が彫刻されています。天井は白い漆喰に梁の黒が映える島々模様となっています。

また大講堂へと続くパティオはルネッサンス様式の回廊で落着いた雰囲気が漂っています。イオニア式の柱に3心アーチをのせ、明るい色調の石がほどこされた繊細な建築装飾が印象的です。

この町は野生のコウノトリの生息地としても有名で、建物の屋根などには巣を作り、つがいのコウノトリが住んでいる姿がよく見られます。

アルカラ大学の内部

アルカラ大学内部には「サン・イルデフォンソ学院」や1510年に建てられた最も古い建物「サン・イルデフォンソ聖堂」があります。現在でも入学式やスペイン語文学最大の賞であるセルバンテス賞の授賞式の会場に使われる「大講堂」などがあり、街最大の観光スポットとなっています。

パラニンフォ舎(大講義室)

大講義室として使われていたパラニンフォ舎などには、ゴシック、ムデハル、ルネッサンスの文様を用いた漆喰の装飾と、多色使いの交差アーチ天井飾りが美しい空間を作り出しています。

礼拝堂

ムデハル様式で美しい礼拝堂には、シスネロス枢機卿など、重要な大学関係者が埋葬されています。カッラーラ産の大理石で作られた枢機卿の墓はドミニコ・ファンチェリのデザインによるルネサンス様式のものです。大きく多彩な彫刻が施された棺は見る価値あり。

大講堂

大講堂には、ゴシック、ムデハル、ルネサンス各様式のモチーフを彫り込んだ漆喰の装飾や幾何学模様が施された多彩色の格天井のモリスコ風交差アーチ文様の天井飾りは必見。

まとめ

アルカラ・デ・エナーレスはのどかな地方の街で、スペインの人々の生活感を感じることもできます。マドリードから電車で一本と利便性もよい。大学内部の見学はガイドツアーで入れます。スペインの歴史上の著名人も多く輩出した大学に訪れてみてはいかがでしょう。

「アルカラ大学」のデータ

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国名 スペイン
世界遺産名アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区
名称 アルカラ大学
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