トプカプ宮殿
(イスタンブルの歴史地区)
トルコの世界遺産「イスタンブルの歴史地区」にあるトプカプ宮殿は、北は金角湾、東にボスポラス海峡、そして南にマルマラ海と三方向に囲まれた小高い丘に建っています。
メフメト2世によって15世紀半ばに建造された宮殿は、オスマン帝国の繁栄のシンボルとされてきました。トプカプとは「大砲の門」を意味し、ボスポラス海峡側に大砲があったことから、その名がついたとされています。
約70万㎡の広大な敷地を有する宮殿は、歴代スルタンの居城でありオスマン帝国の政治の中枢でもありました。大きな建物を持たず、庭を中心に、機能別に小さな建物と部屋が建てられています。
第一庭園
帝王の門
宮殿内にはアヤソフィア側にある「帝王の門」から入ることができます。門の先に第一庭園があり、かつては病院や処刑場がありました。第一庭園には、オスマン帝国時代も現代と同じように一般の人々が自由に出入りできたといいます。
挨拶の門
第一庭園を進むと「挨拶の門」があり、ここからが本来の宮殿域となります。域内は、外廷、内廷、ハーレム(後宮)の3つに分かれています。
第二庭園
「挨拶の門」をくぐった先が、第二庭園がある外廷になります。外廷を囲むように議会室や厨房などが設けられており、外廷は、行政の場であり、宮廷の儀式なども執り行われました。
ハーレム(後宮)
第二庭園の左側、宮殿一高い「正義の塔」の下にあるのがハーレム(後宮)です。ハーレムには、母后、寵妃、女奴隷たちが生活した場所で、外界とは完全に隔離された場所でした。また、スルタン継承争いに敗れた皇子達を幽閉した「鳥籠」と呼ばれる部屋もありました。
第三、四庭園
至福の門(幸福の門)
第二庭園の奥、「至福の門」の先にあるのが、第三、四庭園がある内廷とよばれるスルタンの私的スペースになります。
謁見の間
門をくぐると、すぐに「謁見の間」があり、ここでスルタンは政府高官や海外からの大使たちと謁見していました。宮殿一番奥、第四庭園には、ムラト4世が、バクダット征服を記念し建てられた優雅な休憩所バグダット・キョシュクがあります。
宝物館
現在、宮殿は、博物館として公開されており、中でも「宝物館」には、柄には3つの巨大なエメラルド、鞘にはダイヤがちりばめられている「トプカプの短剣」、86カラットの大きなダイヤモンドが眩い光を放つ「スプーン売りのダイヤモンド」などオスマン帝国栄華の歴史を伝える品々が数多く展示されています。
約400年、オスマン帝国の中枢を担っていたトプカプ宮殿ですが、1856年に新宮殿が完成し、スルタンが居城を移すと、それまでの役目を終え長い歴史に幕を下しました。
「トプカプ宮殿」のデータ
国名 | トルコ |
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世界遺産名 | イスタンブルの歴史地区 |
名称 | トプカプ宮殿 |