旧王立海軍学校
(マリタイム・グリニッジ(海事都市グリニッジ))
ロンドン南東部にある1703年にクリストファー・レンが設計したバロック様式の建物が魅力的な旧王立海軍学校。現在はグリニッジ大学とトリニティー音楽院によって建物の一部が使われています。
バロック様式の建物が規則正しく並び、建物内の装飾の美しさはとても有名です。英国王族とのゆかりの深い、由緒ある港町グリニッジの傑作として人気のスポットとなっています。
旧王立海軍学校の歩み
セント・ポール大聖堂などロンドンの52の教会を建造したクリストファー・レンによって、1703年に船乗りの病院として造られました。
1869年に病院としての役割を終えた後は、1873~1998年まで王立海軍学校として使われ、現在は大学としても使われています。病院が建つ前はプラセンティア宮殿があり、ヘンリー8世とエリザベス1世が生まれた場所として知られています。
旧王立海軍学校の見どころ
現在ペインティド・ホール、礼拝堂、スティーブン・ローレンス・ギャラリーの内部の見学ができます。
旧王立海軍学校の外観
photo credit: The Guardian Of The Towers… via photopin (license)
英国バロック様式の公共建築物の中では最大級の規模を誇る建物です。クイーン・アン・コートや教会のあるクイーン・メアリー・コート、1960年頃にクリストファー・レンによって設計されたキング・ウィリアム・コートなど品格ある建物が並び、テムズ川との景観がとても美しく見応えがあります。
テムズ川をバックにウォーターゲートと一緒に記念撮影をすると英国らしい雰囲気を感じられておすすめです。
列柱が立ち並ぶパティオも美しく、クイーン・メアリー・コートの時計の文字盤はローマ字で、キング・ウィリアム・コートの時計の文字盤は方角になっているところも見ものです。
元海軍学校らしく大砲も飾られています。パティオを歩いているとヘンリ−8世とエリザベス1世生まれた場所というプレートやジョージ2世の銅像もあり、宮殿があった場所でイギリスの歴史に深く関連していることを感じます。
旧王立海軍学校の内部
キング・ウィリアム・コートのペインテッド・ホール
クリストファー・レンとニコラスホークスムアの設計により、水兵のダイニングルームとして造られた場所です。
1708~1727年にジェイムズ・ソーンヒルによってホールいっぱいにだまし絵の技法で描かれた絵画は、一見彫像かと思ってしまうほどの出来栄えに感動を覚えます。
特に天井画は必見です。この絵が見やすい様に鏡台が置かれ存分に楽しむことができます。
また、入口にあるロンドンで最も壮大な物とされる、約30mの高さのドーム型の天井も見応えがあります。
礼拝堂
ジェームズ・スチュアートとウィリアム・ニュートンによって造られたネオクラシックの傑作です。
正方形や八角形のネオクラシカルなデザインがとても魅力的。ジョンパップワースによって設計され、青と金のコントラストが素晴らしくとても綺麗です。
祭壇画
photo credit: Chapel – Old Royal Naval College via photopin (license)
ベンジャミン・ウエストが描いた祭壇画は18世紀の英国最高の作品とされています。
パイプオルガン
1789年にサミュエル・グリーンよって造られたパイプオルガンも魅力的で、現在もトリニティ音楽院の生徒による演奏が毎日行われています。黒と白の大理石の床の中央には船の錨とロープのシンボルが象られ、昔は王立海軍学校だったことを物語っています。
ビジターセンター
ビジターセンターではグリニッジの歴史に触れることができます。ジオラマでは、古代ローマから現代までのグリニッジを映像で見ることができ歴史好きも大満足の内容です。海軍大学の頃の紹介ではグリニッジの原子炉の秘密なども公開されています。
映画のロケに使われることも多く、最近ではパイレーツ・オブ・カリビアン、レ・ミゼラブル、シンデレラなども、ここで撮影が行われています。
まとめ
現在、建物の一部が大学として使用されているので全てを見ることができませんが無料で見学できます。£5で毎日12時と14時から行われるガイドツアーに参加すると、より詳しく巡ることができます。
テムズ川の遊覧船やテムズ川の地下歩道を通ると、グリニッジの様子を満喫することができます。特に遊覧船からみる、旧王立海軍大学の左右対称で荘厳な雰囲気は見る価値があります。ぜひ、行き帰りの観光も併せて楽しんでください。
「旧王立海軍学校」のデータ
国名 | イギリス |
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世界遺産名 | マリタイム・グリニッジ(海事都市グリニッジ) |
名称 | 旧王立海軍学校 |