騎士団施療院
(ヴァレッタ市街)
現在、地中海会議センターとして利用されている騎士団施療院は、1575年に建設されました。騎士団施療院は、最大で2000人を収容でき、負傷者を船からすぐに運べるよう港に面して建てられた、当時としては地中海地域で最も優れた病院でした。
騎士団施療院は、聖ヨハネ騎士団の設立の経緯と深い関わりがあります。聖ヨハネ騎士団は、11世紀末、病気になった巡礼者の救護を目的に、エルサレムに設立されました。1113年、教皇から正式に認可されると、十字軍の遠征に伴って、負傷者の看護にあたる傍ら、自らも十字軍の戦士として戦うようになります。その後、騎士団は各地に病院をつくったことから、ヨーロッパ中の尊敬を集めるようになり、大規模な組織に発展していきました。
このように医療を起源に持つ聖ヨハネ騎士団が創設した騎士団施療院は、騎士団本拠地の医療機関として、貧しい人たちへの医療行為だけでなく、解剖学や新しい医療の研究なども行われました。
現在、地中海会議センターとして使用されていますが、センター内には、当時の騎士団施療院の様子を人形で再現した展示室も設けられています。
「騎士団施療院」のデータ
国名 | マルタ |
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世界遺産名 | ヴァレッタ市街 |
名称 | 騎士団施療院 |