円形競技場
(タラゴナの考古遺産群)
1世紀後半から2世紀初めにかけて建てられた、幅86.5m、長さ109.5mあり1,4000人が収容できる大規模な円形競技場。地中海を見下ろす高台にそびえ立ち、青く輝く海を背景にした素晴らしいロケーションで、タラゴナを代表する風景といえます。
「タラゴナの考古遺産群」として世界遺産に登録されています。
タラゴナの円形競技場
ローマ時代には剣闘士や猛獣の戦いが繰り広げられ、処刑所としての役割も果たしていました。海に近かったため外国から動物が運ばれてくることもあり、その動物たちも連れてこられ見世物にされました。
地下室には剣闘士の休憩室や祈りを捧げる部屋、猛獣の檻が設置されていました。地下から競技場まで滑車を使って引き揚げるエレベーターもありました。現在は考古学博物館に保存されていますが、地下の北側部分には、メネシス女神を表すフレスコ画も発見されています。
円形競技場の歴史
259年1月には競技場内でタラコ出身のキリスト教のフルクトゥオーゾ司祭とその助祭であったアウグリウスとエウローゲがここで処刑されました。当時はまだキリスト教が認められておらず、多くの信者が処刑されたといわれています。
4世紀にはキリスト教がローマの国教となり、円形競技場はこれまでの役割を終え、殉職した3人の霊廊が建てられました。
12世紀には西ゴート時代の跡地に教会が建てられましたが、1915年に壊され今では廃墟となっています。1780年まで修道院として使われましたが、その後牢獄として使われ、20世紀の半ばから劇場として修復されました。
キラキラと青く輝く海と灰色の競技場のコラボはとても魅力的で見応えがあります。
「円形競技場」のデータ
国名 | スペイン |
---|---|
世界遺産名 | タラゴナの考古遺産群 |
名称 | 円形競技場 |