スペルガ聖堂
(サヴォイア王家の王宮群)
ピエモンテ州の都市トリノ東郊にある、18世紀にトリノの戦いでサヴォイア王家のヴィットリオ・アメディオ二世がフランスに勝利した記念に建造された聖堂。高台にある聖堂で外観の明るい色合いと聖堂内の荘厳な雰囲気が漂う美しい教会です。
1997年、「サヴォイア王家の王宮群」の名称でイタリアの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
スペルガ聖堂とは
トリノを囲む丘の中で669mと最も高いところに建つ聖堂です。1706~1731年にヴェナリア城の増改築に携わった建築家でシチリアメッシーナ出身のフィリッポ・ユヴァッラが長い歳月をかけて建てたバロック様式の建物。この様式の中で最も美しい建物といわれています。
ユヴァッラはローマで建築の勉強をしました。この頃のローマはバロック建築が最盛期を迎えていました。その影響を受けた彼はバロック様式で聖堂を建設。聖堂の入口には17段の階段があり、これは1717年に建設が始まったことからという説が残っています。
内部は彫刻や織物で装飾され、複数の礼拝堂に囲まれています。天井は高さ75mありドーム型をしています。地下にはヴィットリオ・アメディオ二世やカルロ・アルベルトをはじめ1731年以降に亡くなった歴代王の墓が置かれています。
スペルガ聖堂の見どころ
聖堂内に入ると、クーポラを取り囲むように取り付けられた窓からの光が入り、主祭壇をはじめ礼拝堂を飾る浮彫の彫刻が見事に照らされています。クーポラの周りやアーチ部分の装飾アリアの受胎告知など、聖堂内を張り巡らした彫刻は壮麗で見る価値ありです。
ヴィットリオ・アメディオ二世の特別礼拝室内には、とても美しい姿をしたマリアの像が飾られています。その逆には一般市民が祈願するマリアの像もあります。
ツアーで見学することも可能です。中庭、法王の間、地下室の順番で見て回ります。また、クーポラに昇ることもできます。目が回るような螺旋階段を昇ると、天気の良い日にはアルプスの山々や茶色の屋根が連なるトリノ市街を一望できます。
スペルガ聖堂のまとめ
このバロック様式の聖堂の前には、マリアを祀る小さな聖堂がありました。トリノがスペインとフランスに取り囲まれた時に、ヴィットリオ・アメディオ二世は町が救われるのならばと、聖母マリアのための聖堂を建てることを誓いました。
願いの通りにトリノが勝ち、この聖堂を建設しました。
もう一つ「スペルガの悲劇」という悲しい歴史があります。
1949年にトリノのサッカーチームが乗った飛行機が、悪天候に見舞われスペルガの丘に激突、聖堂の裏に墜落し監督と選手23名が亡くなったという悲しい事故です。裏手には彼らを追悼する聖廟が建てられています。
この教会は特に壮麗な大理石の彫刻が魅力的な聖堂です。ぜひ、訪れてみてください。
「スペルガ聖堂」のデータ
国名 | イタリア |
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世界遺産名 | サヴォイア王家の王宮群 |
名称 | スペルガ聖堂 |