アブ・シンベル小神殿
(アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群)
アブ・シンベル大神殿とともにヌビア遺跡群の構成資産であるアブ・シンベル小神殿は、大神殿より北へ100mほど離れた場所にあります。
アブ・シンベル小神殿とは
アブ・シンベル小神殿は、エジプトの歴代王朝の中でも、王の中の王と称えられたラムセス2世が愛する王妃ネフェルタリのために建造した神殿です。
大神殿に比べると小さいですが、神殿の正面には、2体の王妃ネフェルタリの像と4体のラムセス2世の像があり、ネフェルタリの像の両サイドをラムセス2世が挟むように並んでおり、その姿は圧巻。また、像の足元には、彼らの子どもたちが並んでいます。
アブ・シンベル小神殿 内部
神殿内部に入ると、まず列柱室があり左右に3本ずつハトホル柱(牛の耳をもつハトホル女神の顔を柱頭とする柱)が並んでいます。壁や柱には、レリーフが描かれており王妃とラムセス2世が対等に描かれているのが印象的です。
列柱室の先にある前室には、王妃ネフェルタリの戴冠式や牛の姿をしたハトホル女神にラムセス2世とネフェルタリがパピルスを捧げる姿などのレリーフがあり、今も当時の彩色が残っているものもあります。
アブ・シンベル小神殿は、王妃ネフェルタリのために建造されましたが、同時にハトホル女神に捧げられた神殿でもあります。神殿内のレリーフから一説には、ハトホル女神はネフェルタリ王妃を表しているという説もあります。
「アブ・シンベル小神殿」のデータ
国名 | エジプト |
---|---|
世界遺産名 | アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群 |
名称 | アブ・シンベル小神殿 |