石窟庵
(石窟庵と仏国寺)
石窟庵は、韓国南東部慶州吐含山(トハムサン)の山頂近くにある石窟寺院です。石窟庵は仏国寺とともに世界遺産に登録されています(石窟庵と仏国寺)。
石窟庵とは?
統一新羅中期の751年に、新羅の宰相であった金大城が、前世の父母のために石窟庵の建立を開始し、8世紀後半に完成しました。
石窟庵は、インドや中国の石窟寺院のように自然の岩山を掘ったものではなく、山の斜面を円形に削り花崗岩の石材を積み上げて造った、石窟寺院としては珍しい人工石窟です。
その構造は前方後円形をしており、地界を表す木造で方形の前室と、天界を表す石造でドーム型の主室からなります。それらは、扉道(ひどう)とよばれる通路で結ばれています。
石窟庵の本尊が向いた東南東方向の延長線上には、統一新羅の英主、文武王(ムンムワン)が眠る海中陵があります。そのため石窟庵には、仏の力で国を守るという新羅王朝の願いが込められているという説があります。
その後、朝鮮王朝になると仏教への信仰は廃れていき、石窟庵も忘れ去られました。しかし、1909年、雨宿りのため山中の洞窟に入った郵便配達夫によって偶然発見されます。崩壊寸前だった石窟庵は、その後、幾度かの修復を経て、現在の姿となりました。
新羅仏教芸術の最高傑作「如来座像」
主室中央には、本尊である高さ3.45mの如来座像が鎮座します。この如来座像は、新羅仏教芸術の最高傑作といわれており、背後の板石は光背の役割を果たしています。
石窟庵のすぐ近くには、仏国寺もあり、また、観光の出発点である慶州も、慶州歴史地区として世界遺産に登録されています。新羅王朝の遺産として、ぜひセットで観光されることをお薦めします。
「石窟庵」のデータ
国名 | 韓国 |
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世界遺産名 | 石窟庵と仏国寺 |
名称 | 石窟庵 |