歴史の発展を担った鉱山産業の世界遺産5選
【金】ラス・メドゥラス(スペイン)
帝政ローマ時代に最盛期を迎えた金鉱山の跡地からなる世界遺産「ラス・メドゥラス」は、富の象徴として、太古からその存在は大衆の憧れの存在でした。ここはかのローマ大帝国の金資源の供給源になりました。
当時の最先端かつ効率重視の生産方法は土地を荒廃させ、今では帝国の繁栄と衰退を静かに物語っています。
【銀】石見銀山遺跡とその文化的景観(日本)
資源の少ない日本において、歴史の中で主権争いが勃発しました。豊富な銀の産出によって最盛期には世界で産出する銀の実に3分の1を日本が占めており、その内20%弱を石見銀山が占めていました。
その産出量の多さから西洋でも銀のことを産地にちなみソーマと呼び、その名が広く知られていました。
【石炭】エッセンのツォルフェアアイン炭鉱業遺産群(ドイツ)
ドイツはエッセンのツォルフェアアイン炭鉱ではさまざまな工法や採掘技術が生み出され、近代産業の発展に大きな影響を与えました。
石炭は別名黒いダイヤと呼ばれるほど貴重なものでした。石油の精錬が確立していない時代に産業の動力は石炭の起こす火力によって支えられていました。
争うように採掘が進められましたが、後に石油にその座を譲ると静かに衰退の道を辿りました。
【硝石】ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群(チリ)
チリ硝石精錬所群「ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群」があった一帯は硝石が産出するため、19世紀後半から多くの硝石工場が建設され、200以上の硝石工場が出現しました。
火薬と肥料において必要不可欠な窒素化合物は、当時は硝石による生産が大変重要でした。農業において生産性の向上を図り、火薬を使用した武器の発明は一つの新たな時代を拓きました。
→「ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群」のページへ
【ダイヤモンド】ディアマンティーナ歴史地区(ブラジル)
18~19世紀にかけてダイヤモンド鉱山の中心地として繁栄したブラジルのディアマンティーナは、ポルトガル語でダイヤモンドを意味するディアマンテに由来し、発展していた当時では世界でも屈指のダイヤモンドの産出量を誇っていました。その産出量は300万カラットで、現在の価値に換算すると2.5~3兆円にもなります。