怖い逸話が残る恐怖の世界遺産5選
数ある世界遺産の中から、怖い逸話が残る世界遺産を5つご紹介します。
①エディンバラの旧市街と新市街
イギリスのスコットランドの首都エディンバラは旧市街と新市街の2つのエリアで構成されており、美しい街並みが世界遺産に登録されています。毎年多くの観光客が訪れる一方であるマニアの間では大変な人気を集めているスポットがあります。
グレーフライアーズ・カークヤード
それはこの町にある墓地「グレーフライアーズ・カークヤード」が世界最恐の心霊スポットとして紹介されたことにあります。
主な理由は2つあり、1つ目はかつてこの地を治めていたサー・ジョージ・マッケンジーによる呪いが存在するということです。当時マッケンジーによってキリスト教の一派が迫害遭い多くが虐殺されました。その残虐性から名前に「Bloody(血染めの)」が付くほどで、1691年に死亡したマッケンジーの遺体は墓地の霊堂に安置され固く封印されました。しかし1999年にふとしたきっかけでその封印が解かれ、それと同時にポルターガイストなどが起こったり危害が加えられるといった被害が後を絶たないそうです。あまりに報告が多いため霊堂周辺は立ち入りが制限されておりその代わりに立ち入るためのガイドツアーが組まれています。
2つ目の理由はその他にも多数の霊が目撃されていることです。1800年代、地元のエディンバラ大学の医学部で研究のための検体が必要になりその確保のため多くの死体泥棒が横行しました。その時掘り起こされた遺体の魂が成仏できず墓地一帯に漂っているというのです。またこれによって疫病が発生し当時は死者の呪いではないのかという噂が立ちました。
この他にも有名なハリー・ポッターに登場するヴォルデモート卿のモデルとなった人物のお墓があるなど様々なマニアに人気の場所です。夏の締め括りとして世界最恐の墓地に足を運んでその空気を感じてみてはどうでしょうか。
②シギショアラ歴史地区
シギショアラ歴史地区は14世紀に商業の街として栄え、その美しい景観と歴史的な貴重さから1999年にユネスコ世界文化遺産として登録されました。しかし美しい町並みの裏には血塗られた歴史も存在します。
15世紀後期のこの地にはワラキア公国という公国が存在しました。その国の統治者は後に串刺し公の異名を持つヴラド三世です。この公国は時の大帝国であるオスマン帝国に度々侵略を受けていました。その度に捕らえたオスマン帝国軍兵士を見せしめのために串刺し処刑をしていたそうです。当時の風潮においてこの行為は特異なものではなくごく普通に行われていましたが、串刺し公の異名を持つに至ったのはその規模とその時のヴラドの様子からです。通常この手の処刑方法は戦争捕虜や反政的な罪人に対して行われ、身分の高い貴族や教職者に対しては用いられませんでした。しかしヴラドはその風潮にとらわれることなく容赦ない処刑を行いました。またこの時にヴラド自身は刑を執行された串刺しの遺体を前に宴を行ったという言い伝えも残っておりその異常性が伺えます。
そんな言い伝えが残っているヴラド三世ですが近年ではオスマン帝国に抗して祖国を守った英雄としての認識が大きくなっているようです。
カーサ・ヴラド・ドラクル
現在の街にはヴラド自身の生家があり現在はレストラン、お土産屋、博物館になっておりレストランではドラキュラコースなんていうコース料理が楽しめたりします。シギショアラを訪れた際には美味しい料理に舌づつみを打ちつつ古き歴史との邂逅を楽しむのいかがでしょうか。
③クトナー・ホラ:聖バルバラ教会とセドレツの聖母マリア大聖堂のある歴史都市
鉱山の街として栄えたクトナー・ホラはその鉱山労働者を守る教会や大聖堂が多数建設され、産出する銀の需要とともに大きく発展した街です。そんな美しい街ですが中心地から少し離れた郊外に存在するある教会をご存知でしょうか。
セドレツの聖母マリア大聖堂
その名はセドレツの聖母マリア大聖堂といいカトリック教の聖堂として毎年多くの訪問者がいることで知られています。中でも不気味なのがその地下にある納骨堂の存在です。この納骨堂には約4万人の遺骨が収められていますが、その内約1万人の遺骨は異様な形で収められています。
その形とは教会内の礼拝堂を中心にインテリアの一部として遺骨が使われていることです。天井に吊るされているシャンデリヤから壁に書かれているサインや紋章、イエスの聖杯や十字架に至るまでありとあらゆるものが人骨製です。見る者によって美しさを感じたりすることもあるようですが大抵は不気味に感じるはずです。
集められた遺骨はその大半が過去の戦争や紛争、チフスやペストの疫病の流行によって亡くなった人のもので、人の形をした影が動き回ってるなど怪奇現象が起こる心霊スポットとしても人気があります。人骨製インテリアを観賞しながらひんやりとした空間で涼を感じてみるのも良いのではないでしょうか。
→クトナー・ホラ:聖バルバラ教会とセドレツの聖母マリア大聖堂のある歴史都市
④明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
軍艦島
2015年に世界遺産の一部として登録されたことで話題の軍艦島は明治期における石炭産業でその発展を支えた端島炭鉱がある島です。一時期は人口密度が84000人/k㎡と当時の東京の人口密度の9倍になったこともあり、多くの施設が整備されて当時の最先端を行く都市でした。
しかし炭鉱での重労働だけに事故や病気による死傷者は少なからずいて、出稼ぎ労働者も多く一部では無縁仏として隣島において火葬と埋葬が行われていました。
そのせいかは分かりませんが島に上陸した人の中には朱や青の光が見えた、いるはずのない幼い少女の姿を目撃したなどの体験談があったりします。
島の景観は一部のホラーゲームの参考になったと言われており、何らかの心霊現象が起こってもおかしくないような雰囲気が漂っています。しかしその廃墟が織りなす景観に廃墟マニアの間では人気が高く最近では遊歩道も整備されたことから徐々に観光客が増えています。
→軍艦島
⑤姫路城
全体的に白漆喰で覆われてその美しい姿から白鷺城の異名を持つ姫路城はこれまで映画や時代劇の舞台として使用されてきました。ところがある怖い話の舞台になったことを知る人は少ないかもしれません。
お菊井戸
記録には様々な怪奇現象が起こったことが伝えられており、その中には女中が行方不明になったことや家臣が謎の死を遂げるなどということもあったようです。しかし何より恐れられていたのはあの怪談の「播州皿屋敷」のモデルとなった井戸がここに存在することです。城内の上山里丸と呼ばれる広場にあるお菊井戸です。現在に至っても何かしらの力が働いている様で怪異が起こったという声も後を断ちません。
2015年3月に大改修の工事が終わり再び日の目を見ることになった姫路城ですが、行った機会にこういう曰く付きの場所を訪れてみるのも良いかもしれません。
→姫路城
とても興味深いものが沢山あり行ってみたいと思いました。