今まさに危機的状況!の世界遺産5選
パルミラの遺跡(シリア)
シリアにおけるISISの破壊活動によって2015年8月に遺跡内のベル神殿とバールシャミン神殿が爆破によって破壊されました。古代ローマにおける美術的な観点において貴重な資料が残っていました。
美しい遺跡の姿は無残にも破壊され、シリア騒乱の現在の様子を伝えるプロパガンダ的な存在になってしまいました。この他に国内の5ヶ所の遺跡がシリア騒乱によって危機遺産リストに登録されています。
スマトラの熱帯雨林遺産(インドネシア)
スマトラの固有種である、世界一美しい縞模様を持ち、大きさも最小と言われる幻のスマトラトラやスマトラオラウータンなど貴重な生態系が存在します。
近年の経済発展で森林面積が激減し、人間の生活圏との衝突が起こっています。生態環境への危惧から2011年に危機遺産リストに登録されました。
エルサレムの旧市街とその城壁群(中東)
エルサレムは歴史の中で翻弄され、帰属問題の火種となっています。争いの年月は1000年以上とも言われており、今現在も解決にはいたっていません。ユダヤ教・イスラム教・キリスト教の聖地が一カ所に集まっており、宗教対立も度々起こっています。
ユネスコではどこの国にも属さない世界遺産として単独の形で扱われています。
アツィナナナの雨林(マダガスカル)
アツィナナナの雨林は貴重な自然と生体が息づくマダガスカル屈指の遺産ですが、高級木材である黒檀や紫檀の違法伐採や、世界的にも貴重なキツネザルの密猟によってその生態系が脅かされていることから、2010年に危機遺産リストに登録されました。
アスキアの墓(マリ)
墓の象徴とも言える無数の突き出た枝は、土で作られている墓の壁を綺麗な状態で保つために塗替えの際の足場としての役割を持っています。
2012年にマリ北部において地域紛争が起こったことから、世界遺産委員会において危機遺産リストに登録されました。