サンタ・クルス美術館

スペインの「古都トレド」にあるサンタ・クルス美術館は16世紀にトレドの大司教だった枢機卿メンドーサの遺志を受け継いだ、イサベル1世の命により建てられた、病人や虎児のための慈善施設。

1614年に完成した慈善病院は現在、1階に中庭を囲む回廊、2階は美術館となっています。また、考古学的出土品などが展示された考古学博物館も併設されています。

マドリードのプラド美術館の姉妹美術館で、「無原罪のお宿り」や「聖母被昇天」などエルグレコの作品22点の所蔵をはじめリベーラやゴヤ、他にもフランドルの巨大なタペストリーや工芸品が展示されています。

サンタ・クルス美術館の建物

ファサードはプラテレスコ様式(スペインのルネサンス様式)の美しい彫刻が施され、館内には建築家のアロンソ・デ・コバルビアスが手がけた階段や手すり、アーチの彫刻にはとても興味をひきます。また2つのパティオと玄関にはルネサンス風の様式が見られるので、中世の特徴とプラテレスコ様式と未完成なルネサンスの違いを比べてみるのも面白いでしょう。

玄関ホールはゴシック様式の丸天井で覆われています。内部の天井は木製で組子の格子模様。交差廊は2階建てで、後部には礼拝堂があります。2階の天井はドレープ風の梁とぴんと張った梁でメリハリをつけ、天井は木造で、かなり細工が細かく重厚な感じがします。建物自体も見どころが多くあります。また、廊下にあるスペインタイルが素晴らしく魅力を感じます。

内部には現在3つの展示室があります。第一室はローマ、西ゴート、ムデハル文化を取り扱った考古学の部屋。第二室は、エル・グレコをはじめとした、16~17世紀に活躍したトレドの重要な画家の絵画が飾られる美術の部屋。第三室は大衆文化や地元の工芸品を扱った部屋で構成されています。

サンタ・クルス美術館の中庭

中庭も美しく花や木が植えられ、安らぎを感じる憩いの場となっています。中央に噴水、それを取り囲むように円形とダイアゴナルな形でツツジなどの低木、園路によって形どられたコーナー部分の植栽部分にはオリーブとホーソーン(ニシキギ)が植えられています。中庭を囲む回廊の一辺、中央には小さな井戸が置かれています。全体的に中庭の緑のデザインを強調され、現在はツツジの他にはバラやニシキギなどを植栽して季節感も感じられます。

展示物

展示内容はかなり充実しています。緑と造形美が美しいパティオを通り抜けて2階に上がると展示室へと続きます。回廊にはタイルの展示があり、白い壁に映えるタイル作品はとても素敵です。展示館内のタイル画やバルセロナで出土したアズレージョ、かつて貴族が使っていた書斎も展示されています。大きな壷やアラブやムデハル文化関連の展示もあります。こちらにはグレコやゴヤの作品も展示されています。

3階に上がるとタペストリーがあり、アレキサンダー大王や旧約聖書のアブラハムやモーゼ、聖母、聖人等をテーマにしたものなど宗教芸術が見られます。

また、中庭の回廊にはアーチがたくさんあり、繊細な装飾が施されています。また、ギリシャ・ローマ時代に出土したであろう柱や石を素材にした彫像が展示されるスペースになっています。

まとめ

日本語版の説明書があるので、トレドの歴史的美術作品に気軽に触れることのできる美術館です。また、建物も素敵なので、建築様式を比べながらゆっくり美術鑑賞をするアートな一日を過ごせるスポットです。

「サンタ・クルス美術館」のデータ

   
国名 スペイン
世界遺産名古都トレド
名称 サンタ・クルス美術館
感想・コメント

メールアドレスが公開されることはありません。

世界遺産を名前から探す