紀伊山地の霊場
(紀伊山地の霊場と参詣道)
紀伊山地の霊場は、三重、奈良、和歌山の3つの県にまたがる紀伊山地にあります。参詣道とともに、「紀伊山地の霊場と参詣道」という名称で世界遺産に登録されました。
霊場は、高野山、熊野三山、吉野・大峯(おおみね)の3つに分かれていて、そこに至る参詣道があります。これらは、日本の神道と大陸から伝来した仏教との融合によって生まれました。1200年以上の歴史を持つ深い森は、神々が鎮まる特別な地域とみなされており、山岳修行の場として崇められてきたそうです。
高野山
高野山は和歌山県伊都郡高野町にあります。標高は約800m、山上盆地に建てられています。816年、空海が金剛峯寺を作り、高野山真言宗の総本山となりました。
金剛峯寺の壇上伽藍(がらん)と奥之院が二大聖地とされています。壇上伽藍は一般寺院でいう本堂の区画で、奥之院には空海が入定しているといわれています。
ここには117の寺院がありますが、そのうち52の寺院は宿坊として一般人も宿泊することができます。
熊野三山
熊野三山は、紀伊山地南東部にある熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社のことです。日本書紀に「熊野」の名がみられ、古くから修験道の修行の地でした。
神仏習合(日本土着の神祇信仰と仏教信仰が混ざり再構築されること)が起こり、3つの大社の祭神がそれぞれ阿弥陀如来・薬師如来・千手観音とみなされるようになり、熊野三所権現と呼ばれるようになりました。そして、熊野詣の目的地として多くの人々が訪れるようになったのです。
吉野・大峯
吉野・大峯は、奈良県吉野郡にあります。標高千数百mの山々が連なる、修験道の聖地とみなされています。その山々の北部が吉野、南部が大峯と呼ばれています。
吉野は、7~8世紀の人で、修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりの聖地です。大峯は、吉野と熊野三山を結ぶ大峰山脈の総称だそうです。
修験道は、山に入り苦行しながら踏破することのその回数が重視され、「奥駈」あるいは「峰入」と言われていました。大峯はその舞台となったのです。
長い間、人々の尊崇の念を集め続けているこの霊場は、俗世とはかけ離れた世界に存在するような気さえしてしまいます。ここを訪れたなら、きっと心が洗われ、自分自身を見つめ直すことができるのではないでしょうか。
「紀伊山地の霊場」のデータ
国名 | 日本 |
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世界遺産名 | 紀伊山地の霊場と参詣道 |
名称 | 紀伊山地の霊場 |